いま、世界中でパンダブームが起きているらしい。上野動物園のシャンシャンはもちろんのこと、フランスでも待望のパンダの赤ちゃんが誕生、インドネシアにも初めてパンダがやってきてフィーバーしているそう。

それもこれも中国がせっせと「パンダ外交」にチカラを入れているからだが……そんななか、中国で一瞬耳を疑うようなパンダグッズが誕生したと話題になっている。パンダのウンコを材料にティッシュペーパーを作るというのだ。

・パンダのウンコで作ったティッシュ『Panda Poo』

中国でパンダのウンコで作った “ウンコ紙” が爆誕。これは冗談でも何でもない。中国パンダ保護研究センターによる正式な発表である。同センター管轄下の都江堰、卧龍、碧峰峡各パンダ基地ででたパンダのウンコを地元の製紙会社に提供! 製紙会社がウンコから紙を作り出すというのだ。

その名も『Panda Poo』。直訳すると「パンダのウンコ」。何というか「中国商品っぽい英語」ですなァ! この直球ぶりが爽快だ。

・なぜウンコなのか

しかし、なぜパンダのウンコなのだろう。ウンコからティッシュを作るなんてどんな錬金術なんだ……。その鍵は、パンダの消化プロセスにあった。

パンダは、毎日12~15キロの竹を食べ、ほぼ同量のウンコをする。実はパンダの身体は竹を消化するには適していないらしく、わずかな果糖等の栄養分を採り、残りの繊維質はウンコとして出ていくのだという。つまり、ウンコは竹の繊維の塊だ。

これがポイントだった! 何でも、伝統的な竹を使った製紙法は、竹から糖分を除去し、繊維のみにして紙を作るという。パンダは竹の糖を吸収して、残りの繊維をウンコで出す……そう! パンダのお腹を通すだけで製紙工程がひとつ省けてしまうのだ!

なるほど、なるほど、だからウンコなのか! これならパンダ基地はゴミを引き取ってもらえるし、製紙会社は “加工済みの材料” を毎日手に入れることができる。人間とパンダにとって「Win-Win」、これがウンコを使う秘密なのであった。

・パンダのウンコはいい香り

なるほど、ウンコティッシュは “竹製のティッシュ” と思えばいいわけか……! と、頭では理解しつつも、やっぱりウンコはウンコだ。ウンコ臭が残ってたらヤダなぁ。ネットでも「ウンコ臭が心配」という声が相次いでいる。そんな思いに対し、中国パンダ保護研究センターはWeiboで

「嘘じゃないよ! パンダのウンコはいい香りなんだ!!」

と、コメントしている。え、そうなの!? 念のため調べてみると日本でパンダを飼育している神戸市立王子動物園も「うんこは臭くなく」と説明しているぞ。

それなら、一度くらい使ってみたいかも。そう思った私とあなたは、すでにパンダ外交の術中にハマっているのかもしれない。お値段は1箱43元(約700円)とのことだ。

参照元:Twitter @PDChina 、Sina Weibo @中国大熊猫保护研究中心新華網(中国語)、王子動物園
執筆:沢井メグ

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