自称「パン好き」は多いと思う。「私、3食パンでも平気♪」なんて言っちゃう人もいると思うけど、そんな人に質問です。日本で初めて本格的なフランスパンの製造を始めたパン屋はどこでしょう? 2秒で答えなさい!

はい、ブーッ! これを答えられなければ、パン好きとは言い難い! そのお店は、東京・文京区にある「関口フランスパン」である。130年の伝統を持つ老舗パン屋で、あの国民的映画にも、その名前が登場しているのだ。その映画とは!?

・店構えに歴史は感じないのだが

このお店(本店)は目白坂にある。テープのニチバン本社ビルの1階にあり、店構えからは創業130年の雰囲気を感じることはできない。店内では、パンの販売とイートインサービスを行っており、エリア限定で宅配も行っている。また近くには、パティスリー(11月27日まで改装中)とサンドイッチカフェも営業を行っているのだ。

・サンドイッチに目移り

中に入ると、所狭しとパンが並べられている。特に豊富なのは惣菜パンだ。とりわけ目を引いたのが、サンドイッチ。揚げたての具をその場で挟んだ、カツサンド・エビフライサンド・コロッケサンドは猛烈にウマそうだ!

しかし今日来たのは、惣菜パンを買うためではない。お目当ては店名にもあるフランスパンである。

・130年の歴史

映画『寅さん』にもその名前が登場した こちらのお店。味について触れる前に、その歴史を簡単に紹介しておこう。実はここのフランスパンが誕生したきかっけはとても古く、明治20年にローマ法王の使者が来日した頃までさかのぼるらしい。

使者とともにやってきた ある神父が、教会経営の孤児院の子供たちに何か仕事を身につけさせようと考えた結果、「パン作り」を思いついたという。そこで子供たちの中から1人を選び、フランス領インドネシアに留学させる。もちろん、パン作りの技術を学ばせるためだ。

やがて その子供が帰国し、後に教会内に製パン工場を作ったのだとか。それが1888年。今から130年も前のことである。

──そんな伝統を受け継いだトラディショナルバゲット(281円)など4種のパンを、私(佐藤)は購入して帰った。

・噛むほどに甘さを感じる

その当時は石窯でパンを焼いていたに違いない。現在は、その石窯で薪を使って焼いたように仕上がる釜を使用しているのだとか。

実際に食べてみると、表面はパリっと香ばしく、中はふんわりと柔らか。

噛めば噛むほど、優しく上品な甘さを感じる一品だった。今ではどこでも購入できるフランスパン、そのすべてはここから始まったのだろう。

・からあげも?

ちなみにお店ではパンやサンドイッチだけではなく、こんなものも売っていた。

からあげとハッシュポテトだ。昼時のビジネスマンには、有難いおかずなのではないだろうか。パン好きを自負する人は、一度行ってみて欲しい。現在に至るパンの原点を見つけることができるかも。

・今回訪問した店舗の情報

店名 関口フランスパン 目白坂本店
住所 東京都文京区関口2-3-3
営業時間 8:00~18:00 / 日祝8:00~17:00
定休日 なし(年末年始12/31~1/4)

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼とろけるような甘さのフレンチトースト

▼コロッケが分厚いサンドイッチも絶品!

日本、〒112-0014 東京都文京区関口2丁目3−3