世界中で愛されている「マクドナルド」! どこの地域や国に行っても基本の味は同じ、その “同じ” であることに一種の安心感を覚えた人も多いだろう。

……が、しかし! ここに来て衝撃的なニュースが舞い込んできた。中国マクドナルドが名前を変えたというのだ。その名も『金拱門(きんきょうもん)』。は? マクドナルドの1文字もかすってねえ! パクリだって、もうちょっと寄せてくるだろうよ!? 全く信じられない話だが、改名は事実であった。

・中国マクドナルドが改名

これまで、中国マクドナルドは『麦当労』と表記されていた。読み方は「まいだんらお」。「MacDonald」の音に漢字を当てたものだ。

その名は未来永劫続くものかと思われていた。だが違った! 2017年10月下旬、中国の企業情報が閲覧できる『国家企業信用情報公示システム』上で、中国マクドナルドの名称が変更されていることが発覚したのだ。

新しい名は『金拱門』。中国語読みをしても「じんごんめん」。どうしよう、1ミリもマクドナルド感がない。あまりにも中国本土臭! 油条やお粥を売っていそうな名前だ。

・公式も認める

この情報に中国ネット界は騒然。それを受けて、10月25日夜、中国マクドナルドの公式Weiboが声明を発表した。絵文字も含めて、ほぼそのままお伝えすると……

「その通り! マックの中国会社は名前を「金拱門(中国)有限公司」に改名したんだ(嬉P)(嬉P)でも改名したのは許可証の話。マックファンのみんな! 店舗の名前は「マクドナルド」のままだからねっ(テヘッ)」

おお……なんか妙に軽快なノリのコメントだが、改名は事実とのこと。ただ、それは運営会社の改名であって、店舗名は変更しないという。

・なぜ『金拱門』?

この改名騒動に中国ネットユーザーからは「衝撃的にダサい」という声が多く寄せられているのだとか。たしかにそう言われると……私たち日本人が見ても、漢字に持つイメージも手伝ってか、オシャレな印象は抱きにくい名前だ。

だが、この名前にもちゃーんと意味があるという。ヒントはマクドナルドのロゴにある。よく「M字のロゴ」と呼ばれるが、これはMではなく、米国のマクドナルド1号店にあった「ゴールデンアーチ」と呼ばれる門をイラスト化したものだという。

「ゴールデンアーチ(Golden Arch)」を中国語に訳すと「金拱門」。これはマクドナルド史を語るうえで以前から使われている単語であり、そのため「金拱門」という名が採用されたと言われている。

・改名の背景には “大人の事情”

名前の由来はよくわかった。しかし、なぜこのタイミングで改名したのだろうか。その背景には “大人の事情” があると言われている。中国マクドナルドは、買収されていたのだ。

買収したのは、中国の国有複合企業「中国中信集団」と米国投資ファンド「カーライル・グループ」だ。米国に次いで大きな市場と言われる中国で、市場の要求に沿った展開を積極的に行っていくもよう。現在、『金拱門』が管理する店舗は大陸に2500、香港に240あるというが、さらなる拡大を目指すそうだ。

ということは、中国のマクドナルドはよりローカル化が進むのかも? さらに独自のメニューやサービスが出て来る可能性がある。利用者の立場から言うと、それはちょっと楽しみだ。今後、『金拱門』がどのように中国のマクドナルドを運営していくのか、注目したい。

参照元:国家企業信用情報公示システム、Sina Weibo @麦当労新浪財経聯合新聞(中国語)
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼お店の名前は変わらずとのこと。さすがにこの知名度を捨てたりはしなかった