2017年10月25日、フォークシンガーの遠藤賢司さん(エンケン)が亡くなったことが公式Facebookで発表された。一昨年から胃がんを患っていたエンケン。

投稿によると、24日に容態が急変し、25日早朝、都内の病院で亡くなったという。享年70歳だった。そんなエンケンが、1週間前にブログの更新をしていたためお伝えしたい。エンケンは死ぬまで純音楽家だった。

・伝説的なミュージシャンオブミュージシャン

1969年にフォークシンガーとしてデビューした彼は、日本のフォークやロックの黎明期を創った1人と言っても過言ではない。また、その時代から現代までライブハウスシーンで精力的な活動を続ける稀有なミュージシャンの1人である。

ブログの内容は、2017年10月19日に予定されていた大阪梅田クアトロでのライブについて。体調不良でキャンセルとなったこのライブ。当日に、エンケンは以下の内容を更新している。

・1週間前のブログが激アツ

「今更、何を言っても言い訳だ。こんなはずではない、と、何度も何度も、ギターを担げず、こんなはずではない、と、何度も何度も、歌いたい!、と、優柔不断した挙句、演奏不可能と、しかも、布団の上で、決めさせて、いただきました。心底、から、本当に申し訳ありませんでした。

(中略)シカシ、いつの日か、自身の為と、好ければ貴方の為に、言音一致の純音楽家エンケンを、演る。その時、それが、貴方にとって、少しでも、生命の糧と、なれるよう、頑張る! マズハ、一歩、一歩、心身と掛け合いながら、原初的ハァドパンクアルバム、【GOD SAVE THE BAKATIN】の、録音を、演る!」

──ギターを担げず、布団の上から動けないほどの体調不良……しかし、「【GOD SAVE THE BAKATIN】の、録音を、演る!」と言い切るエンケン。

その音楽にかける熱い情熱が伝わってくるようだ。まさに、言音一致の純音楽家。音楽に命をかけていたことが分かる。全文はエンケンのブログでご確認いただければ幸いだ。

今頃エンケンは軽くなった体で『GOD SAVE THE BAKATIN』のレコーディングに取り掛かっているのだろうか? ご冥福をお祈りします。

参照元:遠藤賢司ブログ遠藤賢司Facebook
執筆:中澤星児

▼ご冥福をお祈りします