国内屈指の有名法律事務所「アディーレ法律事務所」に業務停止処分が下された。NHKによると、着手金を無料にするキャンペーンを期間限定とうたいながら5年近く続けていたとし、東京弁護士会が法人としての業務を2カ月間停止すると発表したという。
有名タレントをテレビCMで起用するなど、名の知れた法律事務所だけに衝撃は大きいが、実際のところ「どれだけ悪質なのか?」そして「処分は適正なのか?」イマイチわからない。そこで今回はアディーレ法律事務所の元従業員に一連の事案について話を聞いてみたのでご覧いただきたい。
・元アディーレ法律事務所の従業員
話を聞かせてくれたのは、アディーレ法律事務所に5年以上勤務した経験を持つAさんだ。職種については本人の希望で伏せるが、アディーレ法律事務所の内情をよく知る人物であることは間違いない。以下でインタビューをご覧いただこう。
──まず、今回の一報を聞きどう思われましたか?
「率直に言って、2カ月は重すぎると思いましたね。せいぜい業務停止にはならない戒告くらいが妥当だと思います」
──素人だといまいちピンと来ないのですが、今回の景品表示法違反はそこまで重い罪なのでしょうか?
「うーん、違反は違反なんですが正直大した話ではないと思います。着手金の額が表示より高かったり、金銭的被害が発生していたなら悪質ですが、誰も損はしていないですからね」
──なるほど。ではなぜ今回アディーレ法律事務所に重い処分が下されたのでしょうか?
「まあ、弁護士会からは嫌われてましたから。CMやテレビ出演で目立っていましたし、ウケ狙い? で代表が東京弁護士会の会長選挙に出馬していましたし。煙たい存在だったのは間違いないと思います」
──そうなんですね。ではいずれ刺される予感みたいなものはあったのでしょうか?
「実は表向きのイメージと違って、内部的には結構きちんとしているんですよ、アディーレは。なので、煙たくても正面から叩けるようなネタはあまりなかったのだと思います」
──ふむふむ。
「ただ、今回は格好のネタがあったので、弁護士会が一点突破したって感じですかね。まあ、前から目はつけられていてたとは思うので、いずれ何らかの形で今回のようなことが起こる気はしていました」
──なるほど。
「でも、やっぱり2カ月は重いと思います。アディーレは弁護士だけではなく電話オペレーターなどもかなりの規模で雇用していますから、2カ月間仕事ができないのは大変だと思いますよ」
Aさんによれば、アディーレ法律事務所は東京弁護士会にとって煙たい存在であり、以前から何かが起きる予感はあったようだ。
この話だけで「アディーレ法律事務所」及び「東京弁護士会」についてこれ以上の詮索はできない。……が、単純な「景品表示法違反」というだけではなく、根深い何かがありそうだ。