人は誰でも、基本的に自分が大好きである。他人より自分には甘くなるものだし、聖人でもない限り自己犠牲の精神を持つことは難しい。できることなら、自分を抱きしめてあげたいくらい自分大好き。いや、可能ならアツい口づけを交わしたいに決まっている! 鏡に向かってではなく、自分の顔と顔、口と口を重ね合わせたいはずなのだ。
人一倍自己愛の強い私(佐藤)は、テレビ番組を見て妙案が浮かんだ! それは顔型を取って、顔面グミを作ることだ。これでプルプルの唇にブチューッ! と口づけできるんじゃないの!?
・こじはるの唇グミがきっかけ
グミで自分の顔を作る。このアイディアが浮かんだきっかけは、フジテレビの深夜のバラエティ『#ハイ_ポール』を見たことだ。番組内でAKB48の元メンバー、小嶋陽菜さんの唇をグミで作るという企画をやっているのを見て、顔面グミもできるのでは? と思い立った。
そこで早速、この小嶋さんの唇グミを作った「グミ研究所」(日進乳業株式会社)に連絡を取ったところ、相談に乗ってくれることになったのである。
・グミの魔術師に相談
この会社は、大手メーカーのグミ商品を手掛けている。最近ではエイベックスと協力して、食べると “コロン” をまとったような匂いが広がる「グミ de コロン」の製造を行っている。まさにグミの魔術師といっても良いだろう。
最初に相談を持ち掛けてから、約1カ月もの間、同社のスタッフは研究と実験を繰り返し、ようやく私の夢が叶う時が来た! そもそもグミはどうやって作られるのだろう? 今回の顔面グミの工程は以下の通り。思った以上に手間がかかる。
・顔面グミを作る工程
1.顔型を取る
2.顔型を元にグミ型を作る
3.グミ型にグミ溶液を流す
4.グミが固まったら完成!
箇条書きにすると、すぐにできるように思えるのだが、顔型が出来上がるのに2日、グミが固まるのに2~3日を要する。乾燥のプロセスは天候や気温の影響を受けるので、天気に恵まれれば4日間、悪天候だと1週間程度かかることになるのだ。道のりは思った以上に険しい!
・顔の型取りが怖かった
私の最初にして最大の山場は、顔面の型を取ること。型取りに使用したのは、造形材料のひとつ「かたと~る」である。これを水で練って顔の上に流して型を取り、それを元にして石膏型を作る。
呼吸は口のみ。鼻はふさがないといけないので、口にくわえたストローだけが頼りだ。顔の周りを囲って、顔面の真上からかたと~るを流す。これが怖い! 怖すぎるッ!!
いざ、顔の上にかたと~るを流されると……。
やべえええ! 鼻がふさがってて息できない!? 顔の上に何か乗ってきた! 何だかわからないけど、猛烈に怖いッ!
一瞬パニック状態に陥ってしまった。コレは早めにリタイアするべきか? と頭をよぎったが、5分くらいですぐに落ち着きを取り戻した。よかった……。
・型取り材 + 石膏
手元には非常用の紙とペンを置いてもらったけど、見えないから書けない。そうして待つこと約10分。
型取り材を補強するために、顔の上にさらに石膏を流しむ。なかなか重い。
・顔型完成
さらに約20分が経過。トータル30分の間、身動きひとつ取れないまま、ようやく石膏が固まった。顔型を作るのも楽じゃない。
はたして無事に固まっているのか? 失敗していたらやり直し。それは勘弁して欲しい。型を外してみると……。
お!
うまく取れてる!!
・次に石膏型を作る
この型を元にして、今度は石膏型を作る。出来上がった顔型に石膏を流し込む。
そして60分乾燥。まだ顔面グミの工程は半分も達していない。
60分後に石膏を外してみると……。
おおお! すごい、型取りがうまく行ったから、石膏型も見事な形に出来上がった!
ここまででようやく半分。石膏型がうまく行ったから、もうこれで良いのでは……。そう思ったが、やっぱり硬い唇よりも柔らかい唇がイイ! ということで、ここから後半戦に突入だ! 顔面グミができる道のりはまだまだ続く、次のページへ急げッ!!