もはや、我々の生活になくてはならない存在となった感のあるAmazon。日用雑貨から家電、娯楽品に至るまで、あらゆるジャンルを網羅したそのラインナップは他の追随を許さない。
しかし、中には「これ何やねん」という代物もけっこうある。そういう商品を探すのは意外と面白かったりするのだが、今回、ヤバいのを見つけてしまったのでお伝えしたい。そのヤバいのとは、ある1つの花瓶である。これがもう、名前もヤバいし値段もヤバい。基本的にヤバいのであった。
・運命の出会い
ある日、Amazonで訳あり商品を探していると、なんだかAmazonっぽくないものを発見した。そこには高そうな陶器の写真が表示されており、珍しさから衝動的にクリックしてしまったのだ。そして、これが私(あひるねこ)と この花瓶との運命的な出会いの瞬間だった。
・究極の花瓶ではないか
それはすでに名前からしてヤバかった。『老舗旅館の雰囲気 王宮の大型花瓶』、繰り返す『老舗旅館の雰囲気 王宮の大型花瓶』である。老舗で、旅館で、王宮の花瓶だというのだ。ああ、これは相当やっちまってる。庶民には決して手の届かない、国宝級の花瓶に違いない。
・意味不明
おそらく3兆円は下らないと思ったが、実際には691円という常軌を逸した価格であった(2017年4月13日現在)。ただし送料は別で、「一部アウトレット訳あり」などと意味のわからないことを供述しているため、またしても衝動的にポチってしまった私を誰が責められよう。
・流石やってくれる
さっそく開けてみると、そこには私の想像を超えた光景が広がっていた。プチプチを外していくと、なんと口の部分がすでに割れていたのだ。ええ……マ、マジかよ。これは訳ありだからなのか、普通に割れたのか、どっちなんだろうか。
しかし、高さ30cm弱のその花瓶は、神々しいまでのオーラを放っていたのかは私にもよくわからないが、これを置けば老舗旅館のような高級な雰囲気になるはず。なんせ王宮だから。本来は王族じゃないと買えないから。運よくAmazonで購入出来た私は、神に選ばれし男なのだろう。
・圧倒的な存在感
編集部の小汚い喫煙所で、下劣な話に花を咲かせるおっさんたち。老舗旅館などとは無縁な、穢(けが)れに満ちた世界である。
醜悪とは まさにこのこと。親愛なる読者諸君のためにも、あそこを浄化せねばなるまい。そこで、真ん中にある灰皿の横あたりに、この花瓶をこっそりと置いてみたところ……。
なんということだろう。あの狭く汚い喫煙所が、あたかも聖なる光に照らし出され、高潔さ、高貴さをたたえているような気分にさせてくれるではないか。花瓶を置いただけでこんな気分にさせてくれるなんて……恐ろしい子……!
・常に優雅たれ
それは、仕事中ゲームに現(うつつ)を抜かす我が上司・Yoshioに対しても有効であった。殺風景な部屋で、テレビを前にプレイに没頭するYoshioの隣に花瓶を置くと……。
素晴らしい。部屋全体が一気に優雅になったような気がする。Yoshioの表情自体は置く前も後も変わらないのに、花瓶を置いた後では、体から発せられている雰囲気のようなものが、心なしか穏やかになっているのだ。おそらく気のせいなのだろうが。
・結論:ヤバい
やはりこれは、究極の花瓶以外の何物でもない。そんな究極の花瓶が、3兆円どころか691円で販売されているのだから、これは戦後最大の事件と言ったら過言だろう。いくらなんでも、それは過言である。
そして、この花瓶の名前である『王宮の大型花瓶』の “王宮” の部分が、「王宮に置いてあるよ」的なニュアンスなのか、「王宮の絵が書いてあるよ」的なニュアンスなのかも、最後まで私には判断がつかなかった。つまり、結局私が言いたいのは、この花瓶がヤバいということである。みんな買え。以上。
参考リンク:Amazon「老舗旅館の雰囲気 王宮の大型花瓶」
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼私のデスクにも置いてみたが、いかがだろうか