2016年も暮れに向かうのみとなった今日この頃、年末と言えばそばの時期だ。ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。今回は年末恒例企画、今年訪れた41店舗の中でオススメの激ウマ店を5つ厳選した。悪いことは言わない……ここだけは食べておいた方がいいぞ!
・2016年に訪れた店舗
まずは、今年の41店舗をザーッとご紹介したい。以下に訪れた順に並べてみたのでご覧いただければ幸いだ。
1. 新宿『永坂更科布屋太兵衛』
2. 佐賀県山奥の秘境『木漏れ日』
3. 浅草六区『翁そば』
4. 大阪『阪急そば十三若菜店』
5. 秋葉原『新田毎』
6. 横浜『味奈登庵』
7. 虎ノ門『大吉田』
8. 新橋『おくとね』
9. 吉祥寺『名代 富士そば』
10. 浜松町『名代富士そば』
11. 茅場町『がんぎ』
12. 田町『蕎麦一心たすけ』
13. 新宿『箱根そば』
14. 津田沼『名代富士そば』
15. 代々木『富士そば』
16. 虎ノ門『そば処港屋』
17. 霞ヶ関『日豊庵』
18. 日暮里『一由そば』
19. 池袋『君塚』
20. 早稲田『山吹』
21. 中野『田舎そば かさい』
22. 三田『a la 麓屋』
23. 高田馬場『こばやし』
24. 大江戸そば博
25. 浅草橋『野むら』
26. 麹町『そばうさ』
27. 初台『加賀』
28. 銀座『歌舞伎そば』
29. 新木場『湾岸そば』
30. 『梅や 神田店』
31. 秋葉原『川一』
32. 笹塚『柳屋』
33. 「ROCK IN JAPAN」で唯一の手打ちそば屋『さわだ屋』
34. 東京・日本橋『よもだそば』
35. 大塚『みとう庵』
36. 立川『清流そば』
37. 新木場『めとろ庵』
38. 人形町『福そば』
39. 人形町『きうち』
40. 新橋『さだはる』
41. 新橋『うさぎや』
・東京を飛び出した立ちそばを巡る冒険
──佐賀県から「ROCK IN JAPAN」まで、東京という枠を飛び出して色んなところでそばを食べた1年だった。そうやって食べたたくさんのそばは、それぞれに個性的で、画像を見れば味を思い出し唾が湧くものばかり。そんな中でも、特に私の舌に鮮烈な印象を残しているのが下記5店舗である。
・【立ちそば放浪記】口の中で炸裂するプリプリ麺! 新潟名物「へぎそば」をワンコインで味わえる東京・茅場町『がんぎ』
とにかく麺がオンリーワンな茅場町の『がんぎ』。口の中でプリプリ弾けるあの感覚は、ひと口目こそビックリするが、食べれば食べるほどに癖になる。濃いめのつゆとのコンビネーションも良く、まるで新しい激ウマ料理のような感動を覚えた。
・【立ちそば放浪記】丼からはみ出す特大イカ天と香り深い太麺にやみつき必至! 中野北口商店街の番人『田舎そば かさい』
太麺田舎そばと言えば『田舎そば かさい』。私はここを超える田舎そばを知らない。特大のイカ天にも負けない存在感を放つ麺は、風味豊かで太麺があまり得意ではない私も夢中になるレベル。中野駅の利用者は一度ご賞味あれ。
・【立ちそば放浪記】キラめく麺とカリカリかき揚げにやみつき必至! 大都会・銀座の路地裏にひっそり佇むガチの名店『歌舞伎そば』
丁寧な仕事で、最強ののど越しを実現しているのが『歌舞伎そば』だ。絹のようにスルスルとのどを通るそばは後味の爽やかさも最高。気づけばそばが器から消えているレベルで箸が止まらない。それでいて、十分な量があり、470円というコスパの良さも見逃せない。
・【立ちそば放浪記】「紅しょうが天玉そば」がピリッとトロけて激ウマすぎる! 好きな天ぷらを選べる東京・人形町『福そば』の本気を見た
好きな天ぷらを選べるのが嬉しい『福そば』。サックサクの紅しょうが天の「ピリっ」と、半熟卵の「トロっ」、そして麺ののど越しとつゆのまろやかさの四重殺に完全に頬っぺたがトロけ落ちた。こんなんウマいに決まってるがな! どちくしょーめ!!
・【立ちそば放浪記】大ボリュームのいかゲソ天に溺れる! 噛めば噛むほど癖になる東京・人形町『きうち』
最後の1つは『梅や 神田店』や秋葉原の『川一』などもの凄く迷ったが、そば全体のバランスと「また行きたい」という想いの強さを考えた時、『きうち』は頭1つ抜けていた。
紅しょうがやネギの入ったゲソかき揚げ天のバランスはもちろん、その味を活かすそばとつゆのバランスには、思わずうなってしまう。人形町の街並みと同じく、しみじみ味わい深い店だ。
──以上である。ますますオリジナリティーを見せる立ち食いそば屋。世はまさに「立ちそば戦国時代」と言えるだろう。2017年そんなそばたちとの出会いを祈りつつ、今年の立ちそば放浪記を締めさせていただきたい。
執筆:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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