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今「モンペ」と言われて、女性用の労働ズボンを思い浮かべる人は少数派かもしれない。そう、2016年の “モンペ” と言えば、すなわちモンスターペアレントの略だ。

オンライン辞書『コトバンク』では、「学校に対して、言い掛かりといえるような理不尽な要求、苦情、文句、非難などを繰り返す保護者を意味する和製英語」と説明されているが、海外にだって “モンペ” は存在するようだ。

・「課題の評価に納得できず、オバマ大統領にメール」する親など

海外には、どんな “モンペ” がいるのか? ということでまずは、海外掲示板『Reddit』などに投稿された「教育者たちが実際に出会ったモンペ体験談」を紹介したい。

「ある親子が、学校で出されたちょっとした課題の評価について文句を言ってきた。彼らは学校の校長と、教育委員会、オバマ大統領に文句のメールを送っていた。学校の校長だけから、返信があったみたい」

「ある母親から、“今日のテストを中止してくれ” と言われたことがある。“子供が鞄を忘れて帰ってきて、全然勉強できなかったから” というのがその理由だった」

「監視カメラに、1人の生徒が教師の財布を盗む様子が映されていた。映像を見た親は “加工した映像だ” と主張して、事実を受け入れなかった」

「息子の様子を、教室で見張り始めた父親がいる。でも彼は授業中ずっと息子にダメ出ししてばかりで、生徒も萎縮(いしゅく)して普段よりも実力が発揮できていなかった。そのことを父親に話すと、“なら教室にカメラを設置して授業の様子を見たい” と言ってきた」

「僕はサッカーチームのコーチをしていた。チームのある少女が僕のことを嫌っていたみたいで、親が見ていないところで僕を蹴ったり殴ったり噛み付いたりしてきたんだ。そう彼女の父親に告げると、彼は “僕には何もできない。なぜなら娘は君を尊敬していないからそういう行動を取るのであって、尊敬するように強要することはできない” と言い返してきた」

「ある母親に言わせると、私は “子供がいないから良い先生ではない” らしい。子供のしつけもできないような人から、そんなこと言われたくない」

・「教師を頭から信用することはできない」との声も

こんな体験談は、まだまだ出てくる。海外メディア『CNN』でも、ある教育者が「生徒がなにか悪いことをして親に報告すると、まず “それは本当にウチの子がやったことでしょうか?” という言葉が返ってくる。危険なオモチャを持ってきたのはバスの運転手のせい、盗みを働いたのも教師のせいと、自分の子供の非を認めようとしない」と話していた。

しかし親たちにも言い分はあるもよう。同メディアでは、「子供の頃、ヒドい先生に何人もあたった。だから今でも、全ての教師を頭から信じることなんかできない」「保護者に対する態度が悪すぎる教師もいる」など学校が信用できないから懐疑的になってしまうといった親の声も紹介されていた。

・それでも理不尽な要求はダメ

たしかにイジメの報道などを見ていると、多くの問題を抱えた学校も存在しているのは分かる。それでも学校や教師に、理不尽な要求を突きつけて良いことにはならないだろう。次の『CNN』投稿者が述べているように、親が問題のケースもあるのだ。

「親だって問題なんだ。生徒が教室で問題を起こすのは、親が “子供のやることだから” と言い訳して、家でちゃんと教育していないから。そんな子供が学校で “イイ子” にしているはずがない。親の見ていないところで、悪さをするんだ」

参照元:Reddit[1][2][3][4]CNNKNOWABLE(英語)、コトバンク
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.