路面電車、通称 “ちんちん電車”。実際に乗ったことがある人は、今どれくらいいるのだろうか。住んでいる地域によっては直接その姿を目にする機会さえないだろうから、中には「何それ?」「ちんちん電車(笑)」となる人もいるかもしれない。
かく言う私(筆者)自身も、数えるほどしか乗ったことはない。札幌と函館、東京、そしてオランダで何度か利用したが、あのゆったり感がたまらないんだな。スローなんだけど、それがいい。特に旅先で乗ると、旅の気分がイヤでも盛り上がるものだ。
──スロー!? ゆっくり移動!? ……こう聞いて「あっ!」となったのは、間違いなくポケモンGOにはまっている人だろう。そう、アレだ、アレ! 路面電車で、アレが出来るかもしれない!! というわけで、実際に検証してみたのでレポートしよう。
・アレとは?
単刀直入に言おう。“アレ” とはずばりモンスターのタマゴのふ化。この記事を読みながら同時にポケストップをチェックしているようなポケモントレーナーには、なぜ “ふ化” とスローな路面電車が関係あるのかを説明する必要はないだろうから、そんな人は下にある「検証」の見出しから読んでくれ! 「ポケモンGOをやってない人」のために簡単に説明するとこうだ。
・「やってない人」のための簡単説明
ポケモンGOでは、プレイ中に『モンスターのタマゴ』というアイテムが手に入る。文字通り “卵” であり、それをふ化させるため、ゲームのプレイヤーはタマゴを “ふかそうち” というアイテムに入れて、決められた距離を移動しなくてはならない。
その距離はタマゴによりけりで、10kmの場合もあれば5kmの場合もあるのだが、共通しているのは「時速10km以下で移動しなければいけない」と言われていること。
速度制限が設けられているのは、電車などに乗ってしまうと一発で距離が稼げるから、というのが理由のようで、まあ早い話「タマゴをふ化させるためには、歩かないといけない」と多くの人が認識しているのだ。しかし……
・路面電車に乗ればOK?
ここで私が注目したのが路面電車。先述の通り、路面電車はスロー。もちろん、直線距離であればそれなりにスピードを出すが、カーブが多い区間などでは「走った方が速いんじゃね?」「時速10km以下だろ」と感じることもしばしば。
ならば……路面電車に乗ると、歩かなくてもタマゴがふ化するのかも。それを確かめようというのが今回の試みだ。もしウマくいけば、電車に乗ってるだけでタマゴからモンスターがバンバン生まれて……!!
・検証
セコ過ぎる希望に胸をときめかせながら、私が検証のために選んだのは都電荒川線。電車の乗り換えなどについて検索できるサイト「えきから 時刻表」で調べると、三ノ輪橋停留所から終着点の早稲田まで路線距離は12.2kmで、乗車時間は56分らしい。
つまり、約1時間かけて12km強の距離を移動することになる。単純に計測すれば、時速12km。ただ、これはあくまでも平均時速。それ以上の速度が出ている区間もあれば、それ以下の時もある。そして今回の検証では、“それ以下の区間” がどれだけあるかが鍵になるだろう。
時速10km以下でゆっくりゆっくり進む距離が長ければ長いほど、タマゴをふ化させる点ではオイシイ……ということになるハズだ。
・2つのタマゴを “ふかそうち” に
検証の日、私は三ノ輪橋停留所まで行き、10kmの移動が必要なタマゴと、5kmのタマゴの2つを “ふかそうち” に入れた。あとは、ちんちん(電車)に乗り込み、終点まで行くだけだ。頼むぞ、ちんちん(電車)よ。早稲田に着いたころには殻がバリバリ割れる画面を見せてくれ!
──検証の結果は次のページへGOだ!!
参考リンク:東京都交通局「都電荒川線」、えきから 時刻表
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:ポケモンGO (iOS)