【自称マッサージ嬢とのパンツ際攻防戦(その3)】

・ラブホ1Fの奥に進む

エドワルダが白衣をたなびかせながら、おもちゃだらけのフロアをずんずんと進んで行く。私も遅れないように後をついて行くと、1Fの奥にラブホテルのフロントを発見。その受付台には、スーツを着た美しい女性が立っていた。

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「なるほど! カップルはここで受付するのか!! でも、フロント係が堂々と居るから、日本のラブホみたいにこっそり部屋に入ることは出来なさそう……。そんなこと、フランス人は別に気にしないのかな?」なんて思っていたら、エドワルダはその受付を素通りしてさらに進み、「ここよ」と指差した。

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確かに……おもちゃの棚と棚の間に、地下へ降りる階段がある! ラブホの1Fがおもちゃショップになっているのも異様だが、この階段は何より異様。匂うな、こりゃ匂うな!!

・聞き覚えのある声が!

階段の先に何があるのか? 写真を撮ろうと思ったが「ここから先は部屋まで写真撮影禁止」とのことなので、カメラをバッグに入れる。惜しいけれど、仕方ない。

それからエドワルダの後に付いて、紫色のライトが照らす階段を1歩1歩ゆっくり降りて行く……と! どこかで聞いたことのある声が耳に飛び込んできたのだ!!

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これは……以前に紹介した「札幌での心霊体験」で聞いたのとそっくりなサウンド、レッドツェッペリンの『移民の歌』の有名な出だしを彷彿とさせる叫びじゃないか! しかも、地下に行くに従って、オーイエス、オーイエス、 イェーイ、イェーイといった合いの手的な声まで聞こえてくる! ノリノリかよ!!

・地下の様子

「これがデジャブというヤツか!?」と不思議な感覚に包まれている間に、地下に到着した。地下は長い1本の廊下と、それに面するいくつもの部屋がある。陽気なBGMが響く廊下を歩いて行くマダム・エドワルダと私。

歩きながら耳をすませば……ストリングスの伴奏のようなベッドのきしみ音っぽいサウンドがリズムを刻んでいる部屋まであるぞ! オーケストラ入れてんのか!? 

そうこうしている間に、エドワルダは1つの部屋の前で立ち止まり、ドアを開けた。目的地に着いたらしい。エドワルダの後に続いて私が部屋に入る。すぐに目に飛び込んできたのは、ベッドの周囲にある鏡だ。これは……『鏡の間』!?

・部屋で見つけたイヤなモノ

私はすぐに部屋の写真を撮ったのだが、気になるモノが……。クレジットカードリーダーが、部屋の棚の上に放置されていたのだ。そのカードリーダーを、エドワルダが「あ、忘れてた」という感じで手に取り、そのまま「間もなくマッサージレディが来るから、少し待ってて」と言い残し去って行ったのである。

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何なんだ、あのクレジットカードリーダーは! 前払いのはずなのに、なぜそんなものが部屋にあるんだ? もしかして……無理やり「追加料金払え」みたいな展開だった? ……こちらの思い過ごしかもしれないが、不吉な予感しかしない! 

最初に「カードは持ってない」とエドワルダに言ったけど、大丈夫だろうか? 逆に「じゃあ財布ごと置いて行ったらいいやん、ボケが!」みたいにならないだろうか?

・ノックされるドア

イヤな想像で心の中がいっぱいになっていたとき、一番聞きたくない音が部屋中に響き渡った。部屋のドアがノックされたのだ。ヤバい、マジで来た! どうすりゃいい? 恐怖と緊張で言葉が出てこない……。そんなこちらの焦りをよそに、ドアノブが回り始めた!

その動きがやたらスローに感じられる。そしてゆっくりドアが開くと……続きは次のページ(4ページ目)で!

Report:和才雄一郎
イラスト:稲葉翔子
Photo:RocketNews24.
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