美しいイングリッシュガーデンを歩いていたら、突如目の前に巨大な “緑色のネコ” が現れる。人間の倍以上もある、大きな大きなニャンコだ。池の側で丸まって眠っていたり、虹を眺めていたり……。素敵だなあと見惚れてしまうけれど、このネコの正体はなんだろう?

これはあるアーティストの亡きネコが、「巨大ニャンコ」としてお庭に出現したもの。一体どういうこと? 詳しくお伝えしたい。

・飼いネコの形をした植物

アーティストのリチャード・サンダースさんの飼いネコ、トーリー。2016年2月に永眠した、灰色の毛が美しいロシアンブルーだ。冒頭の “緑色のネコ” が、そう、このトーリーなのである。

サンダースさんが、本物の庭園の写真の中に “トーリーの形をした樹木” を合成し、Facebookページ『The Topiary Cat』で発表しているこれらの作品。ちなみに、このように人工的に形づくった樹木は “トピアリー” と呼ばれている。

想像の世界とはいえ、トーリーのトピアリーはとてもリアル。手を伸ばせば葉の感触が手のひらに感じられ、緑に顔を埋めることだって出来そうだ。ああ、お庭に巨大なネコがいたら本当に素敵だろうなあ……。

・ネット上で人気に。本物のトピアリーだと思い込む人も

サンダースさんがこれらの作品の着想を得たのは、ある庭園のトピアリーが “眠っている動物” に見えたからなんだとか。では、その動物がトーリーだったら……というふうに作品が生まれることに。以来、トーリーは巨大なトピアリーになって噴水の水を飲んだり、毛繕いしたりしているのだった。

現在、サンダースさんの作品は多くの人々を惹き付けており、そのリアルさから本物のトピアリーだと思い込んでいる人もいるようだ。海外メディア『BBC』に対して、サンダースさんは「本物のトピアリーではないと訂正するけれど、本物だと信じ込みたい人も多い」と話している。

うん。本物だと思ってしまう気持ち、とてもよく分かります。こんな生き生きとしたトピアリー、本当に素敵だもの!

参照元:BBC(英語)、Facebook
執筆:小千谷サチ

▼ドローンで撮影した庭園。そこで眠るトーリー

▼自然の中にもトーリーが

▼噴水の水を飲む。こんなトピアリーがあると素敵なのになあ

▼サンダースさんも一緒に

▼こちらはとても人気のある作品なんだとか

▼水面にうつる姿も美しい

▼普通サイズのトーリー

▼こちらが本物のトーリーだ