ひそかにスヌープ・ドッグが4月20日の「マリファナデー(大麻の日)」に新曲を発表していた件についてドラッグ事情通に感想を聞いてみた(その2)
──ボブさん、つい昨日、「俺はアメリカを語る資格はない」とおっしゃってましたが、コロラドで何かあったんですか?
ボブ「去年(2015年)、おれ、一晩だけコロラド州に行った……というか、通過したのよ。ワケあってユタ州からニューメキシコ州にクルマで抜けなきゃならなくて」
──どんなワケなんですかそれ! 逃亡ですか!?
ボブ「ある意味、逃亡だな。現実からの……な。ま、そうなるとアリゾナ州かコロラド州をまたがなきゃならないんだけど、選ぶなら当然コロラド州だよな。なぜなら、2014年に大麻が合法化されたからだよ」
──そこまで行ったなら、せっかくだからアリゾナ州のグランドキャニオンで絶景を堪能してからニューメキシコ州へ……というルートもあると思いますが?
ボブ「俺が選ぶのは絶景より絶頂なんだよ。ともかく、12時間以上も運転して、州境ギリギリの町に滑り込んだ。時刻は夜、Late Nightsだ。
なんでその町に行ったのかというと、事前に “マリファナが楽しめる宿” が存在するという情報をリサーチしていたからだ」
──さすがボブさん、ぬかりない!
ボブ「Facebookに宿の公式ページもあったから確認してみると、食事とベッド、そしてマリファナが楽しめるヨ〜的な説明が書いてあった。宿のマスコットキャラは “ラリってるカエル” で、写真を見ると、看板にもそのラリガエルが描かれていた」
──ラリガエル(笑)
ボブ「で、住所も書いてあったからカーナビに入力して向かったんだけど……宿らしき建物が、ないのよ。いくら探しても、ない。真っ暗な住宅街を、クルマでグルグルグルグル……何周もして、一軒一軒、くまなく確認したんだけど、ないのよ。
でも、どーしても、あきらめきれない。だからクルマをその辺に停めて、今度は徒歩で、さらにジックリと一軒一軒グルグルとラリったカエルがいないか確認して……」
──届け先が分からなくなっちゃったソバ屋の出前みたいですね!
ボブ「まさにそんな感じよ。とにかく真っ暗で。外を歩いてる奴なんて、誰もいない。何度かパトカーも来たんだけど、それを見るたびに、俺は「ヨシッ」って思ったり。だって、そーゆー系の店とかが近くにある証拠じゃん?」
──もしかしたらボブさんが怪しすぎるから通報されたんじゃ……
ボブ「そんなわけないだろ!(怒) とにかく、2時間くらい町の中をグルグルしたけど、マジでないのよ。つぶれちゃったのか……と、ついにあきらめて、近くのモーテルに泊まった。悔しくて泣きながら寝た。せっかくコロラド州にまで来たのに……って」
──泣くほど悔しかったんですか! てゆうか2時間も真っ暗な知らない町をグルグルって……
ボブ「とにかく時間がないからな。チャンスは1度きりしかないから。翌朝、すぐにチェックアウトして、ニューメキシコ州に向か……おうとしたけど、どーしてもあきらめきれなくて、もう一度、空が明るい状態で探すことにした」
──あきらめませんね! ネバーギブアップ精神すごいですね!!
ボブ「そしたら……宿の住所とは違うけど、わりと近くに……カエルの看板を掲げている店があったんだよ!」
──ついにきたーっ! ラリガエル!!
ボブ「いいや。そのカエルはラリってないんだ。ラリってないけど、釣り竿を垂らして魚釣りしてるんだ」
──!? 釣りガエル……?
ボブ「しかも、英語でAqua(アクア)だとかFish(フィッシュ)とか書いてある」
──アメリカなんだから英語で当然でしょう! それにしても……アクアでフィッシュ!?
ボブ「それを見て、俺は、ハイハイハイハイって。なるほどね、ここは、アクアな感じのウィード(大麻)をセル(売る)してて、吸ったらフィッシュのようにマリンの中にいるようなフィーリングになっちゃうのね……と思った」
──すごい想像力ですね!
ボブ「とにかく、その店に入った。そしたら……ムワッとしてるのよ!」
──ムワッと! キましたね!!
ボブ「そう。入った瞬間、キタキタキタ……と思って。湿度がハンパなくて。何かを育ててる感……っていうの? でも、すぐにムワムワの正体は分かった。見たこともないような草が、水槽の中で育てられていた!!」
──水耕栽培(すいこうさいばい)!!
ボブ「そう! ハイ、きましたきました、水耕栽培キマシタヨ〜〜〜!! って、ミーのハートはエキサイティングよ。しかも、店の奥を見ると、水槽だらけ! ライティングされた水槽だらけで、熱帯魚とかも入れちゃってるの!!」
──魚を育てながらオシャレにグロウ(自家栽培)しちゃう系!
ボブ「まさに! さすが合法のコロラド州、水耕だなんて意識高いなァ〜〜〜って感心しちゃったりして。で、じゃあどこに売ってるのカナ……って、店内グルグルまわったけど、パッと見、普通の熱帯魚屋さんみたいな感じにしてるのよ!」
──合法だけど、いちおうカモフラージュするんですね(笑)
ボブ「ワクワク感っていうの? 熱帯魚屋さんのフリしながら、レジでオヤジに『エサくれ』つったら出てくるみたいな!? そんな演出!? やるなぁ〜って!」
──おしゃれすぎ! 「エサくれ」ってスラングっぽくてカッコEですね!
ボブ「で、店の奥にいた店主の親父に聞いてみたのよ。エサくれなんて英語、うまく話せないから、笑顔で単刀直入に「マリファナくださいな」って」
──ニコニコ顔で!! そしたら!?
ボブ「親父、困った顔をしながら「え!? うち、熱帯魚屋なんだけど……」って……」
<完>
執筆:GO羽鳥
協力:ボブ麻亜礼
Photo:RocketNews24.
▼ちなみにこちらが「リーフ・バイ・スヌープ」の紹介動画
▼余談だが、コロラド州の某町にあるタバコ屋さんは……
▼「うちにマリファナはねえ!」とブチギレていた