【大麻の日】マリファナについての思い出をドラッグ事情通に聞いてみた(その2)
──で、ボブさんがインドで目の当たりにした “リアルなインドの日常風景” とは?
ボブ「場所はバラナシ(ワーラーナシー)。ガンジス河での沐浴が有名な、あのバラナシ(ヴァラナシ)だ。めっちゃ普通のオッチャンが、俺に「最高のネタがある。ガンジャもハシシもある」って声かけてきたんだ。価格は忘れたけど、やや高め。
かなり気になる話だったけど、やや高いから、当然のごとく俺は「そんな値段じゃ買わねえよ。半額以下にしろ」って交渉した。言い値じゃ買わない。当然だ。
ふつうだったら、ネバりにネバって半額くらいで落ち着く。でも、このオッチャンはビタ一文負けようとしなかったのよ。「マジで最高級のネタなんだって!」って。さらに「俺を信じろ!」って。俺は「信じられねえよ!」って」
──行ったら “人生観が変わる” とも言われるヒンドゥー教の聖地で「信じる信じない論争」ですか。
ボブ「そしたらオッチャン、「どうすれば俺の話を信じるんだ!」ってキレ始めたから、俺も逆ギレしながら「取り引きはおまえんちだ! 今すぐ、おまえんちに連れて行け! そしたら半額で買ってやらあ!!」って言ったところ、「じゃあ来い!」って」
──すごいハイテンションなラリー! それにしても、家に入れてもらうのに半額とか鬼ですね。
ボブ「で、お互い無言でバラナシの小道を歩いて、「ここだ……」と、オッチャンの家についたわけよ。そしたら、なぜかオッチャン、やや緊張してるの」
──勢いで「じゃあ来い!」つったけど、後悔してるっぽいような?
ボブ「そうそう。言わなきゃよかった的な。でも、じゃあ入ろうってことになって、オッチャンが「ただいま〜」みたいな感じで、一緒に家に入ったわけよ。そしたら!!」
──そしたら!?
ボブ「オッチャンのヨメさんが、すっごいたくましい体型……まあアンコ型のインド人女性が、開口一番「なんなの! あんた、何いきなり観光客を連れてきてんのよ!!」って烈火のごとくブチギレてさ!
狭い部屋で。2部屋しかないような。でも、その中に、ちびっ子も4人くらいいて、ワーワーやってて。「ナマステ〜!」みたいな感じで、遊んで遊んで的に集まってきて。
で、オッチャンは「こらこら、あとで遊んであげるからあっち行ってなさい!」って怒ったりしつつ。それを見て、ヨメさんが「遊んであげなさいよ!」とか怒って。もうなんだか泣きたくなるような生活感あふれる修羅場でさ」
──超リアルなインド人の家!!
ボブ「んで、相変わらずヨメさんは激怒ってるんだけど、オッチャンは「うるせえ! 仕事だコノヤロー!」とか応戦しつつ、俺に「こっちだ!」って狭い寝室に招き入れてくれて。
タンスがあって、その中にヨメさんのサリーとかが、着物みたいに畳んであって。そのサリーの一番下に、ビニール袋に入ったブツが隠されてて。もしガサ入れされても、ヨメさんの洋服タンスとか物色しにくいからなのかなぁ〜なんて思ったり」
──やっぱりインド人の売人でも、隠し場所には気を使うんですね。
ボブ「で、奥の部屋では、まだヨメさんが料理しながら「はやく帰らせなさいよ!」みたいな感じで激怒してて。やっぱりカレーの香りがしたなぁ。
いっぽう、オッチャンは「ブツのニオイをかげ。グレイトだから」とか言ってて。ためしに嗅いでみたら、マジですごい。チョー新鮮。オッチャンの言葉にウソは無かった。
で、ここまでしてくれて半額じゃ申し訳ないな……と思ったから、俺は「買うよ。さっきの言い値でいいよ」つったんだけど、逆にオッチャンは「半額でいい。お前は、半額で買うと言った」と、決して最初の額では売ろうとしないわけ」
──えっ! なんだかよくわからないけど美談になってる!!
ボブ「いいよ、払うよ。いいや、そんなにもらえない……みたいな、インドあるまじき値上げ合戦がしばらく続いて、結局は半額チョイで折り合いがついたんだけども、なんか、インド感が変わったね。
約束は守る、みたいな。“家に招き入れたら半額” の条件だから半額なんだ、と。曲がったことは許さない的な。なんだかよくわからないけど、武士道的な。インドにも、いろんな人がいるんだなぁって」
──麻薬の取り引きしてるだけなのに、なぜか感動で目頭が熱くなってきました……!!
ボブ「ちなみにブツは、まさに “最高のネタ” だった。でも、俺としては、このプッシャー親父との取り引きで経験したことも、ブツと同じく “最高のネタ” だった」
──ある意味、2つの最強ネタをゲットできたわけですね。
ボブ「まさに。インドのリアルな光景も見えて、ある意味、人生観が変わったね」
──さすがはバラナシ! 話は尽きなさそうですが、今後のボブさんの目標とかってありますか?
ボブ「そろそろオランダとジャマイカあたりは攻めたいけど、最近気になってるのはパナマ文章で有名なパナマだね」
──パナマ文章!! それはどうして?
ボブ「なんでも、パナマには『パナマレッド(Panama Red)』っていう、赤い大麻があるらしいんだ。写真で見たけど、とてもキレイだったな。効き目もキョーレツらしいから、いつかは試してみたいと思ってるよ」
──とのこと。なお、ボブ氏は最後に「日本で大麻やって捕まるほどバカバカしいことはないから、日本ではやめとけ。だから俺は、海外に行くんだ。でも、海外でも気をつけろよ。下手すりゃ死刑だから」と真顔で話していた。皆も私も、気をつけよう。