私(佐藤)は空港や駅が好きだ。なぜなら、知られざるお土産に出会えるからだ。当たり前かもしれないが、地方の企業は想像以上に企業努力をしており、特に土産物の商品開発にその傾向が強く見られる。最近紹介した、「ほういちの耳まんぢう」もそのひとつ。なぜ、ちぎられた耳をまんじゅうにした……。
実は土産物だけでなく、空港や駅で味わうことのできるメニューにも、独特のモノが存在していたりする。島根の出雲縁結び空港には、天津飯とラーメンがひとつになった、ハイブリッド丼メニューが存在したのだ。何を言ってるかわかんないと思うけど、この2つがひとつになっててビビった!
・空港3階
この奇抜メニューを提供しているのは、「出雲の國 麺家」だ。空港3階のレストランのひとつであり、フライト前には満席になる。人気というか、飲食店が少ないせいで、いっぱいになってしまうのだ。ここの出雲縁結びどんぶり(880円)が驚きの代物。
メニューを見ると、「一杯に3つの味」とある。3つ? ラーメンとご飯と卵焼き? 写真があるけど、写真を見ただけでは実態が良くわからない。とりあえず頼んでみることに。
・見た目はラーメン
実物は普通のラーメン。特に何か目立つ特徴はない。スープがあんかけになっているほか、気になるところはない。あっさりとしたしょう油ベースで、可もなく不可もない味である。これなら出雲そばを食えば良かった……。と思いながら、箸を進めるとッ!
・ラスボス戦ステージ2
麺を食い切るか食い切らないかのところで、丼に違和感を覚えた。そもそも麺が少ない。その麺を一通り平らげたと思ったら、その下に何か見えている。ちょうどラスボス戦で、トドメをさそうとしたら、ラスボスのビジュアルが変わり始めた感じである。まさかのステージ2に突入!?
天津飯があらわれた! 薄焼き卵の下にはご飯。麺の下にご飯を仕込んでいたのか! メニューの写真の意味がやっとわかった。形態変化でHPを回復したラスボスとの、第2戦開幕である。
・食えば食うほど一体になる
ラーメンの味に特徴的なものを感じることはできなかったのだが、ここからが味も本領発揮。あんかけスープとご飯が馴染み、これが見た目以上に美味しい。食べれば食べるほど、ご飯ゾーンにスープが流れ込んで、味の一体感が増していく。ご飯の盛りつけと丼の構造を計算して、味を設計したのだろうか? なかなか興味深いぞ。
味が混ざり合う様子を、「縁結び」と称しているとしたらセンスがいい。「とりあえず「縁結び」ってつけておこう」って意見も想像できるのだが、面白いメニューであることはたしかだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 出雲の國 麺家
住所 島根県出雲市斐川町沖洲2608 出雲縁結び空港3F
営業時間 10:00~19:00
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24