島根県出雲市といえば「出雲大社」が有名だが、実はブラジル料理がおいしく食べられる街としても知られている。出稼ぎ目的で市内に移住したブラジル人がコミュニティを形成し、そのままの流れでブラジリアンレストランも増えていったらしい。

つまり出雲で食べられるのは、本場のブラジル料理だ。いわゆる日本人好みの味付け……ではなく、市内で働くブラジル人が故郷を思い出すガチなやつである。というわけで今回は、島根県で「地球の裏側の味」を堪能してきましたっ!

・絆(きずな)

やって来たのは、JR出雲市駅から車で7~8分の場所にある「ブラジリアンレストラン絆」。おそらく日本とブラジルの絆、ブラジル人コミュニティ同士の絆をつなぐ場所、という意味で名付けられたのだろう。国道184号線沿いにあり、看板も大きくよく目立っていた。

店舗入口は階段を上がって2階、ドアにはひらがなで「たべほうだい」と書いてある。どうやら9時30分から15時まで「60分食べ放題(1100円税別)」とのこと。オッケー、いざ入店……

するや否や「ニホンジン? ハジメテ?」とブラジル人スタッフ。イエスと返すと、日本人スタッフが奥から現れ、満面の笑みで「食べ放題になります」と一言。とてもシステマチックな流れだが、スタッフ同士の連係プレーは見事である。

・まんまブラジル

さて、店内を見渡す限り、お客さんは私以外全員ブラジル人のようだ。テレビに映っているのもブラジル人……もう完全にブラジルじゃねえか。島根県の要素は限りなくゼロで、ほんのりと漂うアウェイな雰囲気がたまらない。海外1人旅の気分だぜ。

よし、ブラジル料理を食べよう。バイキング形式だから、お皿に “美味しそうなやつ” をテンコ盛りにすればOK。つまり、ポルトガル語のメニューが読めなくても無問題である。ビーフはもちろん、ポークやソーセージ、豆スープにサラダ、デザートなんかも食べ放題。

とは言いつつも、一応ブラジル人の “模範解答” を参考にして盛り付けてみた。ご飯の上に牛肉やソーセージをドカドカ乗っければ、ボリューミーなガッツリ定食の出来上がり……うむ、肉肉しくて最高である。これが情熱あふれるサンバとカーニバルのエネルギー源かっ!

そんで見た目どおり、期待どおりの味。肉も野菜も、ご飯と一緒にかきこむのが正解だ。食べ応えはMAXで、まるでロナウジーニョが胃の中めがけてドリブルシュートを決めたかのような重さを感じる。く、苦しい……おかわりどころか、デザートも食べられなかったぞ。

ちなみに、ブラジルでは「フェジョアーダ」なる豆と肉を煮込んだ料理を、ご飯に豪快にかけるのが定番……とのことだが、直前でごっそり持っていかれたため食べられず。さすが故郷の味、みんな食べたくなるのだろう。仕方ない。海外で味噌汁を飲んだらスゲー和むからな。

・出雲の続きは自宅で

そんなこんなでチョイ残念ではあったが、実は「フェジョアーダ」は自宅でも簡単に作れるらしい。なんでも、ビーフシチューとも日本の煮込みとも違う美味しさなのだとか。よし、出雲の続きは自宅で……海外旅行気分を味わいたい方は、ぜひどちらも参考にしていただきたい。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 ブラジリアンレストラン 絆
住所 島根県出雲市大津町390-7
時間 10:00~15:00 / 18:00~23:00
休日 月曜日

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼デザートは満腹で食べられず……悔しい