牛かつのお店が随分と増えてきた。一口に牛かつといっても、お店によって特色が異なる。東京・新橋のおか田を筆頭に、多店舗展開している「もと村」、最近では京都勝牛なども勢力を伸ばしている。上野のあおなも有名店として数えられるかもしれない。
上野・アメ横の繁華街の一角にあるお店には、いつでも入店を待つ人たちが。そのなかには外国人の姿もある。美しく美味しい牛かつは言語や文化の壁を越えて、外国人観光客の心をつかんでいるようだ。
・外国人にも人気
私が訪ねたのは、2015年12月某日。年末前でアメ横界隈はそれほど混雑していなかったが、あおなの前には入店待ちのグループが並んでいた。ガイドブックに載っているのだろうか? その後も外国人観光客が足を運んでいた。
・価格設定はやや高め
店前の椅子に座って待つこと約20分。割と回転が良いようで、それほど待たずに入店できた。メニューを見ると、他の牛かつ店よりも若干高めの価格設定。セットは国産牛であれば1250円、黒毛和牛1480円、霜降り黒毛和牛なら1680円となっている。頼むのなら良いものがいいと思い、霜降りにすることに。
・ちょっと席が狭い……
入店して少し気になったことがある。混雑するお店だから仕方のないことなのだが、席と席の間がとても狭く、隣のテーブルの人と肘がぶつかりそうになる。お店の事情があるのはわかるが、もう少し席に余裕が欲しいところだ。
・サシが美しい
そんなことを考えているうちに、膳が運ばれてきた。セットには、季節のサラダとスープ、ご飯(白米もしくは十六穀米)がついている。そして中央に牛かつが鎮座している。美しいーーッ! 薄衣のなかは朱色に輝いている。激レアな霜降り牛肉は見るからにウマそうじゃないか!!
・「噛む」がふさわしくない
これをワサビで頂く。トロけるような肉の甘さをワサビのピリリとした辛さが引き立てている。続いてしょう油、それから脂塩と呼ばれる牛の脂とニンニクを使った独自の調味料で食べる。肉を知り尽くしているからこそ、提案できる食べ方ではないだろうか。噛むという言葉がふさわしくないほどに、柔らかな肉に悶絶しそうだ。
・もう少し量が欲しい
味は申し分ないのだが、肉が薄い。紙切れのように薄い。上品なんだけどちょっと食い応えがないかな~。他の牛かつ店であれば、同じくらいの価格で、量的にも満足できるのだが……。肉の厚みは好みのわかれるところ。品の良い味を楽しみたいという時には、あおなはオススメだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 あおな
住所 東京都台東区上野6-5-7 JUNビル 1F
営業時間 11:00~23:00
定休日 なし
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.