内戦で居場所を失い、国外に避難するシリア難民。この「世界最大の人道危機」に対処するために、各国も続々と支援や難民の受け入れを表明している。

世界中の人々が「自分には何ができるか」と思案しながら、シリア難民を取り巻く状況を見つめる中、今、ある写真が話題になっている。そこには……子ネコを連れて、逃げてきたシリア難民の一家が写っているのだ!

・危険にさらされながら避難するシリア難民

大切な人の命を守るため、母国を離れるシリア難民たち。その多くはトルコからエーゲ海経由でギリシャに上陸し、欧州各国を目指す。しかし旅路が危険なことは、皆さんもご存知の通り。

国際移住機関によると、2015年だけでも、エーゲ海域で起こった事故で命を落とした難民は103人。一方の地中海ルートでは、2620人が犠牲になっているという。

今回ご紹介する家族も、シリアの内戦を逃れ、ボートに乗ってギリシャのレスボス島にやってきた。自分の命を守るだけでも大変なはずなのに、なんと彼らは一緒に子ネコも連れて逃げてきたというではないか!

・ネコを慈しむ一家

そんな彼らを写した写真を見ると、そこには笑顔で子ネコを抱く家族の姿が。男性が肩からかけた布に入れられた子ネコを、みんなが愛おしそうに撫でているのだ。ちなみに、ネコの名前はザイトゥーナ。なんだか……胸がシンとする光景だ。

そしてこの写真は、多くの人の心を打つことに。「家族は家族だ」「彼らが安全でありますように」「愛する存在を置いていくことはできないよね」との温かいコメントが寄せられている。

・ギリシャに辿り着き、泣き震える難民たち

また、写真をアップした活動家のタマラさんは、ギリシャにたどり着いた難民たちの姿を以下のように述べている。

「ギリシャの海岸に着いたとき、どの難民も、泣き、震え、ひざまずいて祈っていました」

この描写から、人々がどれほどの思いでギリシャにたどり着いたか、少しだけでも知ることができそうだ。

写真の中の一家が、ネコをつれて逃げることに対して、どのような迷いや葛藤を抱えていたか、私たちはただ想像することしかできない。でもきっと、大切な家族の一員を、どうしても残して行くことができなかったのではないだろうか? もし私たちが、彼らのような状況に立たされたとしても、同じ想いを抱えるはずだ。

参照元:Twitter @tamara_vdPLife With Cats(英語)朝日新聞デジタル
執筆:小千谷サチ

▼子ネコへの愛が伝わってくる

▼こんな風に保護されてきたんだね
https://twitter.com/THE_47th/status/642287223702884352?ref_src=twsrc%5Etfw

▼こちらの男性も自分のネコと一緒!