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本当においしいハンバーガーを求めて食べ歩く、ハンバーガー批評。「辺境バーガー」はその番外編、なぜココに? と思うような場所で提供されているおいしいハンバーガーを探し出すシリーズである。

辺境バーガーの初回は、島根県大田市の三瓶山にある「SANBE BURGER」だ。島根の食材にこだわったハンバーガーの実力やいかに!?

・松江市街から車で1時間半

私(佐藤)はお店まで、松江市外から向かうことにした。現地までは車で約1時間半。車で出かけるに当たって、いくつか不安な点があった。それは私が地元島根にいた頃と道路状況が随分変わっている。そのため、iPhoneでGoogleマップを起動してナビにしたがって向かうことにした。

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・車2台すれ違えない!

現地にたどり着くまでの道のりは複雑ではなかった。しかしナビが導く道はかなりワイルドだった。三瓶山へと向かう、島根県道56号大田佐田線は山間を縫うように上り坂が続いている。この道が猛烈に狭い! 車2台がすれ違うことができないほどの狭さ。しかも、ところによってガードレールがないため、もしも谷の方に向かって脱輪したら、間違いなく転落する。

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対向車が来ても、どう考えてもすれ違えない。幸い狭い道を抜けるまでの間、一台も向こうから来なかったため、何とか難所を乗り切った。本当に対向車が来ていたら、ハンバーガーどころではなかった……。

・立派な建物

実は安全な別ルートが存在することに途中で気付いたが、道路が狭すぎて引き返すことができない。危険なジェットコースターに乗っているようなスリルを味わいながら、山間を走ること30分。ようやく目的地にたどり着いた。お店は島根県立三瓶自然館「サヒメル」という資料館の正面にある。ログハウス風の建物で、これが思っていた以上に立派だった。

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・かつて出会ったハンバーガーは……

さて、ここの売りはなんと言っても島根県産食材を使ったハンバーガーである。バンズからパティ、バーガーに挟む具材に至るまで、そのすべてを県の生産者が作ったものにこだわっている。食材に関しては安心して良さそうである。ただ気になるのは、それがひとつになったときの味だ。その昔、地元のあるお店で食べたハンバーガーは、名前だけで味がついて来ていなかった。三瓶バーガーはどうなのだろうか?

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・研究のあとが見える

以前食べたものは、ただパンにハンバーグを挟んだだけの代物だった。それを、松江市の観光施設で出していたため、私はかなりガッカリした覚えがあったのだが、ここは違う。研究を重ねたことが、その味から伺うことができた。和牛パティの力強い旨味を、バンズがしっかりと受け止めており、全体の調和が取れている。

・幅広く受け入れられる味

どちらかと言えば、肉感は控えめであっさりとした印象。おそらく利用客の年齢層の幅が広いため、味の強さを強調せずに、柔らかなおいしさを追求したのではないだろうか。ハンバーガーそのもののポテンシャルはかなり高い。それが600円という価格で提供されているのは、良心的と言える。今回の評価は75点! これからさらに味が進化することに期待したい。

もう少しアクセスが良ければ……、と思うのだが、時間をかけてたどり着く味。それが辺境バーガーの醍醐味なのかもしれない。

・今回紹介した店舗の情報

店名 SANBE BURGER
住所 島根県大田市三瓶町多根1125-2
営業時間 10:00~17:00
定休日 火曜日

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.

▼ナビにしたがって行ったら、かなり過酷な道に誘導されてしまった。車が2台すれ違えない山道。ガードレールなし
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▼あいにくこの日は悪天候で三瓶山を見ることはできなかった
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▼思ったよりも立派な建物、SANBE BURGER
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▼木のトレーもかなり立派
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▼島根の食材にこだわった三瓶バーガー
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▼原っぱにある無人市
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▼放牧されている牛たち。たまに脱柵するらしい……
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