
マッサージとは、「お見合い」のようなものだ。運良く腕の良いマッサージ師に出会うことができれば、それから幾度となく通い詰め、その人一筋で何十年もお世話になることだってあるだろう。自分に合ったマッサージは、気分まで幸せにしてくれる。
逆に、自分には合わないマッサージ師に出会うと、初回のわずか一時間ほどで「この人は違うな」となり、それっきりだ。
一年ほど前、私(筆者)は友人と共に秋田へ女二人旅をし、「お見合い」をした。それは、これまでにない衝撃の体験だった。一年経った今でも、あの時の状況が脳裏をよぎり、見合い相手のことが忘れられずにいる。
・おばちゃんのマッサージ
旅館に到着した私と友人は、さっそくマッサージでもお願いしようということになった。ちょっとした贅沢である。予約をして部屋で待っていると、予定の時間ジャストに女性二名がやって来た。
一人は30代前後だと思われ、もう一人は私の母と同年代に見えたので60代くらいかと思う。彼女たちは素早く準備をし、自然な流れで若いほうの女性が友人担当、母と同年代らしきおばちゃんが私の担当となった。お見合い開始だ。
・ニンニク臭
おばちゃんは、和室に敷いた布団にうつ伏せになるよう私に指示をし、まずは肩から揉みに入った。なかなか良い感じにグイグイとコリをほぐしていく。力加減もちょうど良い塩梅だ。今回は期待できるぞと思った矢先、私はあることに気付いた。何やら臭うのだ。
「おばちゃん、昨日ニンニク食べたな!」と心の中で呟きつつ、とりあえず耐えるしかなかった。おばちゃんは相変わらず絶妙な強さで、肩から背中へグイグイと揉み進んでいく。
・それでも素晴らしい腕前
ニンニク臭に包まれながらマッサージは続いた。うつ伏せになり目は閉じているものの、そのニンニク臭がおばちゃんから発せられていることは明らかだった。彼女の鼻息と共に、ホワ~ンと押し寄せてくるのだ。
だが、それでもおばちゃんの揉みほぐしは素晴らしかった。「これならニンニク臭ぐらい耐えてやる!」と思わせるほどの腕前であった。いや、前日のニンニクがあったればこそのパワーみなぎる揉みほぐしだったのかもしれない。
・衝撃の事態
ところが、おばちゃんの揉みが背中から腕に移ったところで事件は起きた。つま先を立てて正座のような座り方をしていた彼女は、うつ伏せになっている私の腕をおもむろに持ち上げた。そして、自らの揃えた両脚の谷間に私の腕を置いて揉みほぐし始めたのだ。
私は瞬時に悟った。私の腕は今、正座のように座ったおばちゃんの脚の谷間に沿って置かれ、手はほぼおばちゃんの三角地帯に位置している。まさかの事態に目を開けて確認する勇気などなく、かと言って確認など必要ないくらい、いま自分とおばちゃんがどのような構図になっているのかは明らかであった。
・「おばちゃん、やめて~!!」
通常、マッサージを受けるときは体の力を抜いて楽にしているものだが、今この手を楽にしてしまったら完全におばちゃんの三角コーナーに私の指があたってしまう。衝撃的な事態に、私は思わず「おばちゃん、やめて~!!」と心の中で叫びながら、拳をギュッと握っていた。
「腕の良いおばちゃんだ」とか「おばちゃん、昨日ニンニク食べたな」などと、さっきから心の中で勝手におばちゃん呼ばわりしていたことを全部謝ってしまいたかった。そうまでしてでも、この腕の配置だけは勘弁してくれないかという想いだったのだ。頭は軽いパニック状態で、もはやニンニク臭など気にならなくなっていた。
・母でも嫌
混乱しながらも、なんとか落ち着こうとした私は、「母と同年代くらいなのだから、母親にやられているようなものだ」などと思ってみたりもした。だが、よくよく考えてみると、こんなの母親でも嫌である。
当然、この腕の揉みほぐしは左右両方において行われ、その間私はひたすら拳を握りしめ続けた。ようやく両腕が終わり、脚のほうの揉みほぐしが始まった頃には、あのニンニク臭も和らいでいた。
・忘れられぬ人
その後も絶妙な加減で足の先までグイグイと揉んでいき、一時間におよぶマッサージは終了した。おばちゃんたちが部屋を出た後、友人がボソッと「上手じゃなかった」と言った。どうやら友人の担当をした女性は力が弱く、終始さすっているだけの状態だったという。友人は、「あまりに下手なので早く終わってほしかった」とまで言っていた。
彼女のグチをひと通り聞いたところで、私もたった今経験したことの一部始終を報告した。腕前は完璧だったこと、ニンニク臭のこと、三角コーナーのこと。友人は笑いながら、「上手ならイイ」と言っていたが、正直、私は良かったのかどうかわからなかった。
かくして、私の秋田での見合いは結論の出ぬまま幕を閉じた。腕は確かであっただけに、今もあのおばちゃんが忘れられずにいる。
執筆:むねやけサンデー
イラスト: マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.
むねやけサンデー




【超コスパ】推定重量1キロ! かわせの「まんぷく弁当」が安すぎてお得すぎる!! 東京・亀戸
大阪のスーパーがおばちゃんを迎え撃つために用意したであろう「商品案内のPOP」が秀逸すぎる
【実録】ママ友の家にお呼ばれ →「マルチ商法おばちゃん」 が現れた! 私カモられてる? 子供は “人質” 状態で脱出不能 → 結果 / カモられないために伝えたいこと
私が現地で遭遇した「衝撃的な中国人」トップ3 / 自宅と勘違いしているコンビニ店員、財布から金を抜いてくるおばちゃんなど
【事件】中国のスーパーで遭遇した「強烈おばちゃん」に財布から金を抜かれた話
約10年ぶりにケーキの食べ放題『スイーツパラダイス』へ行ってみた → 何で今まで来なかったのかと本気で後悔した
【2026年福袋】HARIOの「コーヒーセット福袋」が神! 届いた瞬間、誰でも美味しいコーヒーが淹れられる
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 1853話目「忘年会⑲」
【福袋2026】オシャレすぎて正体不明!? セレクト雑貨「MAG.」の福袋を開けたら困惑したけど、コスパは良さげ
【福袋2026】フレッシュネスバーガーが全店舗で福袋の販売を開始 / 購入前に確認すべき大きな注意点アリ!
【裏側】テレビで自分の曲が流れたのに使用料が支払われてないから、JASRACに逆凸してみた一部始終
2023年に炎上した「高島屋のクリスマスケーキ」を今年も買ってみた結果 → 意外な変化が…
モバイルバッテリーを「Anker (アンカー) 」から『CIO』に乗り換えて1カ月使ってみたらこうだった
ボンボンドロップシールって本当に子どもに人気なの? 姪っ子にプレゼントしてみた結果…
【アウト】偽ボンボンドロップシールの福袋がガチで地獄だった
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【中国渡航自粛】ガチ中華だらけの上野・アメ横に行ってみたら → 取材拒否の連続に…
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
【ヒョウ柄の聖地】大阪のおばちゃん御用達「なにわ小町」の福袋を通販で買ってみた / 最先端のアニマル柄コーデがこちらです
「大阪のおばちゃんが通うお店」でコーディネートしてもらったら志茂田景樹さんみたいになったでござる
【衝撃】京都タワーの「コンピューター手相占い」が意外すぎた! 診断結果に悶絶したでござるッ!!
【30代女子】日焼け止めがツラくて『アームカバー』デビューしてみたら…とてつもなく優雅な気分になった
大阪のおばちゃんが通うアニマル柄専門店「なにわ小町」の福袋がヒョウ柄すぎて完全にヒョウになれる / 左右の柄が違う靴下もヒョウ
セブンで売ってた「にんにくマシマシ餃子」はどんだけ攻めてるのか? 実際に食べてみた正直な感想
【神業動画】ゲーセンのバスケゲームでおばちゃんが見せたテクニックがマジでスゴい!!
たまごおばちゃんが作ってくれる『トマトサラダゆでたまご(約20円)』は午前9時のプチごちそう / カンバ通信:第80回
【大阪】天神橋筋商店街の穴場「おばちゃんとこ」の “ラーメンの丼” の衝撃!
氷菓を食べない私が「コメダ珈琲監修 フローズンコーヒーフロート」を購入してしまった理由
【福岡】伝説レベルの駄菓子屋「菊地ガンモ店」で豪遊してきた / 好き放題に駄菓子を買ってゲームをしても302円