
「起業家」と聞いても何をやっているのかイマイチ分からない人もいるかもしれないが、読んで字のごとく「仕事や事業を起こす人々」のことだ。そしてアメリカでは、若干13才で起業した少年に熱視線が集まっているのである。
その年若さだけを驚いてはいけない。彼は、目の不自由な人向けの点字プリンターを、なんとレゴで発明したというのだ! その上「貧しい人でも購入できるように価格を抑えたい」というこの少年……な、なんて、恐ろしい子なんだ!
・12才のときにレゴで点字プリンターを作り上げた少年
米カリフォルニア州、サンタクララ。あのIT企業の一大拠点シリコンバレーとして知られるこの場所に、13才の若き起業家が住んでいる。彼の名はシュバム・バネルジー君。2014年に「教育版レゴ マインドストーム」を用いて、紙に点字を印刷する画期的なプリンターを作り上げたことで一躍有名になった少年だ。
・「目の見えない人はどうやって字を読むの?」という疑問から始まった
“点字” とは、目の不自由な人々が触覚で読解する記号文字のことだが、なぜシュバム君は点字プリンターを発明しようと思ったのだろうか? 実はある素朴な疑問を抱いたことがキッカケで、彼はこの装置を作ることになったのだ。
それは「目の見えない人たちはどうやって文字を読むの?」というシンプルな疑問。それを両親に聞いてみたところ、「ググりなさい」という答えが返ってきたのだとか。
・「点字プリンターってとっても高い!」とショックを受けたシュバム君
言われた通り、ネットで調べ始めた素直なシュバム君。しかしリサーチを進めていくうちに、彼はある事実にショックを受けることになる。それは、現在市場に出回っている点字プリンターが高額なこと。
最低でも1台2000ドル(約23万円)もかかり、貧しい人々にはとてもじゃないけど手が届かない額なのだ。その時のことを「金額の高さに驚きました。もっとシンプルな機械が作れるはずだって思ったんです」と語ったシュバム君は、以降、台所のテーブルで夜なべしながら、レゴを使って点字プリンターの開発を始めたのだった。
・価格も重さもお手頃なシュバム君の点字プリンター
それで誕生したのが、レゴで紙にドットをつけて点字を表現する点字プリンター『Braigo』だ。現在もシュバム君は、一般に流通している従来の点字プリンターよりも価格・重さを抑えるべく、価格約350ドル(約4万円)、重さ2キロ未満の『Braigo』の開発を進めている。
・お父さんとIntelの後押しで2014年に起業
2014年の夏にはシュバム君は、父親から約3万5000ドル(約412万円)の出資を受けて会社『Braigo Labs』を設立。世界的な半導体メーカー Intel のエンジニアである父親は、「親としてシュバムのやっていることに参加し、後押しをしたい」と話している。
その上、 “誰でも入手可能なデスクトップ用の点字プリンター” にし、“ Intel の半導体を搭載する” など、さらなる意欲を見せるシュバム君の才能に Intel もビックリ。「既存の方法に捕われずに自分の頭で物事を解決できる少年だ」と、『Braigo Labs』の起業に投資したのだった。
・最も使われる点字プリンターにしたい!
シュバム君は「目の不自由な人に最も使われる点字プリンターにしたい」との思いを胸に、2015年末を目安に『Braigo』の商品化を進めているということだ。
この低価格の点字プリンターが市場に出回れば、手紙から買い物メモ、資料などを点字でプリントアウトすることができ、目の不自由な人々にとって大きな助けになるはずだと、視覚障がい者の支援団体も期待を表している。
ちなみに会社『Braigo Labs』のCEOはシュバム君ではなく、彼のお母さん。なぜなら13才の彼は、CEOになるには若すぎるからなのだとか。そう聞くと「彼はまだ子供なんだなあ」とシミジミしてしまうが、同時に彼の末恐ろしさをひしひしと感じるのだった。
参照元:The Economic Times、Facebook(英語)
執筆:小千谷サチ
▼これが『Braigo』だ! 点字の「Braille(ブライユ)」とレゴの「LEGO」をつなぎ合わせた名前だ
▼多くのメディアに取り上げられるシュバム君
▼レゴだからか子供たちも興味津々
▼『Braigo』の秘密を教えてくれる動画
小千谷サチ
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