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アップルストアが毎年年初めに発売する福袋「ラッキーバッグ」。今年は2015年1月2日朝8時に日本全国のアップルストアで販売開始され、「何とかゲットしてやろう」と、私(記者)を含めて多くの人が列を成した。

新年早々、場合によっては昨年の暮れからアップルストア前に並ぶ人々は、ニュース番組取り上げられることもしばしば。そのため、テレビを通して行列に並ぶ人を見た読者も多いはず。そしてテレビで彼らを見た時、多くの人は恐らくこう思ったのではないだろうか。「何を考えているのだ!?」と……。

遠慮しなくてもいい。正直に、正直に言うと、そう感じたのではないだろうか。むしろそう思って当然。行列に参加した1人として思うが、アレは完全にクレイジーな行為であった。……ということで今回は、「何を考えているのだ!?」という多くの人の疑問に、「あるある」ネタで答えたい。題して『アップル福袋「ラッキーバッグ」の行列に並んでいる人が考えがち&やりがちなこと50連発』だ。

【アップル福袋「ラッキーバッグ」の行列に並んでいる人が考えがち&やりがちなこと50連発】

その01:ただの福袋販売ではなく、お祭りと考えている。
その02:お祭りを楽しみたいから、行列に並ぶのだ。
その03:だけどもちろん、いい商品もゲットしたい。
その04:多くの参加者の目論見「MacBook Air が理想だけど、まあiPadでもアリかな……」
その05:ラッキーバッグ行列の経験がないと、「厚着して椅子に座ってりゃいいんでしょ?」と勘違いしやすい。
その06:特に初心者は、椅子の大切さを甘く見がち。
その07:また、防寒具の重要さも甘く見がち。
その08:厚着で参加したのに、想像以上に寒さが体にしみる。
その09:並んでいる途中で、ドンキなどに毛布等を買いに行く人多数。
その10:着ているヒートテックが頼りなく感じる。
その11:これほど情けないヒートテックは初めてだ。
その12:どこか心もとない自分の防寒具と比べて、心強いのは前後や近くに並んでいる人たち。
その13:彼らはもはや他人ではない。同志である。
その14:喋っていると、寒さも紛れる。
その15:そして、トイレに行っている時にお互いに荷物を見張ったりできるので有り難い。
その16:そういうことをしている間に、妙な連帯感が生まれる。 
その17:誰かがお菓子なんて配り始めたら、ちょっとしたパーティーである。
その18:しかしどうポジティブに考えても、どうしようもなく寒い。
その19:今だけは『八甲田山』のDVDを見たくない。
その20:『南極物語』もきつい。
その21:『行きてこそ Alive』は絶対ダメ。
その22:夜になり寒さが厳しくなると、行列に並ぶことへの疑問がどんどん出てくる。例えば……
その23:なぜアップルは、ラッキーバッグをネット受付してくれないのか?
その24:行列が出来るのは分かりきっているのに、「近隣店舗になるべく迷惑をかけないようにお願いします」って……では、ネットでの受付を……プリーズ!
その25:ネット受付ならば、寒い中並ぶ必要はないのに……。
その26:1月1日を無駄にする必要もないのに……。
その27:家族とゆっくり過ごせたのに……。
その28:おまけにネット受付で事前に必要としている個数が分かれば、今より多くの人がラッキーバッグを手に出来るのに……
その29:そうすれば、アップルにとっても利益拡大になるのに……
その30:「おおっぴらには認められないけど、本当はみんなに寒い中行列を作ってほしいの〜。そして話題になって、アップルの宣伝及びブランディングに一役かって欲しいの〜」というアップルストア側の本音を感じずにはいられない。
その31:いや、我らがアップルが、そんなことを考えているはずは……。
その32:もう何も考えたくはない。
その33:というより寒くて何も考えられない。
その34:何度も書くが、絶望的に寒い。
その35:そして、どうしようもなく眠い。
その36:でも寒過ぎて眠れない。
その37:34〜36を無限ループ
その38:東の空が明るくなった時、その絶望ループからようやく抜け出せる気がする。
その39:アップルストアに明かりが灯ると、希望の光が少し見える。
その40:そんな時に気づく「1月1日が終わってしまった」という事実。
その41:誰かが「さようなら2015年1月1日」と言うと、周囲のみんなは力なく笑う。
その42:この時点でみんなの体力は限界。ドラクエのパーティーで言うと、全員の表示がオレンジになっている状態。
その43:地面に寝転がったままの人を見ると、「この人はオレンジからピンクになってしまったのではないか?」と心配になる。
その44:早朝に配られた整理券を受け取ると、とりあえず記念に写メ。
その45:アップルの店員さんは、朝から元気いっぱいだ。
その46:そのリア充さが眩しすぎて、今の自分と比べると逆に悲しくなる。
その47:だが店の開店が近づくと、否が応でもテンションアップ。
その48:そしていよいよ開店……!
その49:ラッキーバッグの中身が何であれ、この時点で “戦い切った感” がいっぱい。
その50:とりあえず一緒に並んだ同志には、心の底から「お疲れさま」と言いたい。

──以上である。いかがだっただろうか。ちなみに、私が並んでいたのは、大阪のアップルストア心斎橋。当日の大阪は雪が降り相当寒かったものの、札幌や銀座では、さらに過酷な行列苦行が繰り広げられたそうだ。また私と違い、販売開始の何日も前から並んでいた人は、より一層ハードだったに違いない。

とにかく、今は行列に並んだ全員が無事に生還したことを祈るばかりである。

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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