しんちゃんは「小新」、みさえは「美冴」、風間くんはそのまま「風間」、ねねちゃんは「妮妮(にーにー)」など、漢字を見たり、音を聞くとなんとなくわかるようになっている。……ただ一人を除いては!
しんちゃんの友達、いつも鼻をたらしてボーっとしている「ボーちゃん」は中国語では「阿呆」と書くのである。
・ぼーちゃん=阿呆
マジかよ!? ということで、台湾放送版のクレヨンしんちゃん『蠟筆小新』のサイトをのぞいてみると……確かにボーちゃんのキャラクター紹介に「阿呆」と書いている。何度見ても「阿呆」と書いている。もちろん中国大陸でもボーちゃんは「阿呆」だ。
説明するまでもなく、日本語で「阿呆(あほう)」というと、近畿圏でよく使われる言葉で、愛情をこめて使う場合もあるが、基本は「馬鹿」に近い罵倒語だ。オッサンに「このアホンダラ!!」と、凄まれるとマジで怖い。日本語に引っ張られると、ボーちゃんの名前を見てヒヤっとしてしまうが、これは、実は「アホ」という意味ではない。
・中国語「阿呆」は「アホ」という意味ではない
ボーちゃんの中国語名は「阿呆(アダイ)」と読む。漢字を見てみると、「呆」は「ボーっとしている」という意味だ。そして「阿」は愛称に使われる漢字だ。親しみをこめて呼ぶときに、漢字一文字の頭につけて使う「~ちゃん」みたいなものである。阿妹とか阿信とか阿杜とかそんな感じである。
つまり、「ボー」→「呆」、「ちゃん」→「阿」、阿は頭につけるものなので「阿呆」というわけだ。意外や意外、どストレートなネーミングであった。
ちなみに、過去に紹介した美少女にも「阿呆ちゃん(英語表記ADAちゃん)」という愛称の女の子がいた。もちろん彼女の愛称も「アホ」という意味ではなく、ぽやーんとしたぽえぽえ娘くらいの意味なのだろう。