週末に1日だけ休みをプラスして海外に行く。筆者(私)は、学生時代に下川裕治先生のエッセイ『週末アジアに行ってきます』を読み、「社会人になったらこうやって旅行すればいいのかぁ!」と、憧れを抱いていた。
しかし……しかし、だ!! いざ社会人になってみると、休みもねェ、金もねェ!! おまけに有休は病欠くらいしか使えないときた! しかも使わせてもらえるだけマシ的な空気。絶望である。
だが、ホワイト企業じゃなくたって、めちゃめちゃお金がなくたって、1日あれば海外旅行ができる! ……らしい!! でもそこまで頑張ってまで行く必要はあるの? というわけで、週末0泊香港、本当に行く価値があるのか行ってみた!
・ポイントは「フライト」と「滞在時間」
0泊の弾丸旅行でポイントとなるのは、やはりフライトと滞在時間である。筆者は、キャセイパシフィックの「9:35成田発 → 13:20香港着」、「深夜1:00香港発 → 翌6:25成田着」の便を使うことにした。滞在時間は約12時間だ。
・実際のスケジュール
(9:35) 成田空港発
(13:20) 香港着 → 市内へ
(15:00) 香港のアイドル猫「クリーム兄貴」に会いに行く。帰りに重慶マンションまで散歩。重慶マンションはドリアンと人の脂のニオイが充満していた。
(16:00)深水埗( シャムスイポー)にある香港の “殺人寿司” こと『明将寿司』へ。絶対に日本の寿司ではない何かを堪能。独創さにビビる。
(20:00) 「アベニュー・オブ・スターズ」らへんでやっている光のショーを見にいくも、曇りでよく見えず。ブルース・リー像の写真を撮ったり、香港スターの手形を見たり、オーストラリア人をナンパしている中国大陸女子を手伝うことになるも中国人が「LINE」を知らなくて連絡先が交換できず失敗。
(21:00) 中環(セントラル)に移動して、香港レトロ喫茶風の「スターバックス冰室(ビンサッ)」で一休み。
(23:00) 早めに空港に行ってコンビニで街中で手に入らなかった「香港版 出前一丁」を購入。しかし2種類ほど足りずコンプリートできず……!
(1:00)香港発
(6:25)成田着
・もろもろ合わせても4万円かかってなくて笑った
……と、1日中存分に動き回ったわけだが、帰国後使ったお金を計算してみると以下のとおりだった。
航空券:3万5730円(燃油込)
現地交通費:104.5香港ドル(約1380円)
その他:216.2香港ドル(約2850円)
合計:約3万9960円
4万円かかってなかったのか! いや、もっと使った気がしていたのだが、何度計算してもこの金額。意外とかかってなくて笑った。
海外旅行で2大お金がかかるものと言えば「航空券」と「宿泊費」だもんなぁ。今回は、0泊なので宿泊費もゼロ。筆者(私)は、弾丸旅行用のセール航空券を買ったが、ここを安く抑えることが、旅行代の運命を決めると言っていい。
・空港から市内へは半額になる「エアポートエクスプレス当日往復券」を買うべし!
まさに「時は金なり」状態の弾丸トラベラーなら、市内に30分以内で行ける列車「エアポートエクスプレス(AEL)」を使うだろう。だが、普通に切符を買うの、ちょっと待ったァァァァーッ!
AELでは、「即日来回票(当日往復券)」を買おう。この切符を使えば、当日中なら同区間を半額で往復できるのだ。一番近い乗り換えポイント「青衣(チンイー)」でも大体、日本円で800円ほどお得になるぞ。時も金だが、金も金だ。
・地下鉄の神アプリに助けられる
そのほか、これは是非と思うのが、香港市内を走る鉄道「MTR」の公式アプリだ。広東語や英語の地名が入力できなくても路線図から経路、料金、出口などがイッパツで検索できて、これも時間の節約になった。
頭の中に香港の地図がバッチリ入っている、というのでないのなら、入れておくべきアプリである。
【まとめ:弾丸旅行のメリット】
0泊で香港に行ってみて感じた弾丸旅行のメリットは以下のとおり。
・休みが取れなくても海外に行ける
何といってもこれ!! 多少、体力的にキツいかもしれないが、「旅行にいった」という開放感に浸ることでかなりリフレッシュできる。
・意外と普通に遊べる
「日帰り」というと、本当に時間がないようにも思うが、よくよく考えると、泊まりで行ったって1日あたりの遊べる時間は8~12時間程度だろう。それを思うとめちゃめちゃ無茶している訳ではないように思える。
・荷物が少なくてイイ
近所に散歩に行くくらいの装備でOKなので、身軽。前日まで忙しくても特別な荷造りも必要ないのも嬉しい。また、空港でも預けた荷物を待つ必要もないので、到着後すぐに市内に出られるぞ!
・宿泊費分がまるまる浮くのでコスパも悪くないように感じる
前述のとおり、宿泊費がまるまる浮くので意外とお金を使うことはなかった。一般的な海外旅行と1時間あたりかかる費用を計算したわけではないが、コストパフォーマンスはそんなに悪いようには思わなかった。
【まとめ:弾丸旅行のデメリット】
デメリット、というか、弾丸旅行ではできないこと。それは、「移動時間のかかる郊外には行くのが難しい」ということだ。香港、台北、上海、ソウルなど交通網が発達している都市なら十分に楽しめるが、そこから出るとなると観光できる場所も限られてくる。
また、人気店の行列に並んだり、映画のような拘束時間が発生するところにも行きづらい。あえてそこに時間を使うという選択肢もあるが、限られた時間でいろんな場所に行きたい、と思ってしまうのが人情だ。自然と旅程から外れていくかもしれない。
・弾丸旅行、個人的にはめっちゃアリ!!
もちろん理想は外国人みたいに長期休暇をとって、現地でゆっくりとすることかもしれない。しかし、多くの日本の会社ではそれも困難だ。
「行きたいのに行けない」と我慢してストレスをためてしまうなら、ちょっと頑張って弾丸で行ってリフレッシュするのも悪くはない。いや、個人的には絶対無敵に大アリだ!!
また、帰国のタイミングによってはそのまま空港でシャワーを浴びて出勤してしまうというハイパーエクストリーム出社も可能。ちょっと検討の余地ありである。
参考リンク:香港MTR公式アプリ
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24
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▼日帰りで香港行くでー!!
▼荷物はこれだけ! 着替えが必要ないからラクチンだ
▼怪しまれそうなくらい荷物が少ない
▼事前チェックインをしていたので1時間前くらいに出国ゲート通過でも余裕。チェックイン行列を横目にちょっと優越感
▼香港到着!
▼市内に行くエアポートエクスプレスの料金表。日帰り旅行なら、右側の「即日来回票(当日往復券)」を買おう! 片道切符と同額で往復できるのだ。
▼さっそく、アイドル猫「クリーム兄貴」がいる尖東(チムドン)へ
▼兄貴には会えなかったけど、奥様のメイメイちゃんには会えました
▼尖沙咀(チムサーチョイ)駅からすぐの、香港の「レジェンド・オブ・安宿」重慶マンション。ドリアンと汗のニオイで満ち溢れていた
▼重慶マンションそばのショッピングモールにいた巨大パンダ
▼伝説の殺人寿司『明将寿司』、深水埗(シャムスイポー)の店舗。
▼日本の寿司とは一線を画している!
▼魚の味がしない……? 「明将寿司」は「明将寿司」という食べ物
▼なんか知らんが、お茶がやけにウマイ
▼シャムスイポー駅付近。この雑多な感じ
▼100万ドルの夜景とブルース・リー
▼サモ・ハン・キンポー先生の手形発見!
▼中環(セントラル)にある香港レトロ喫茶「冰室(ビンサッ)」をイメージしたスターバックスへ
▼ちなみに位置関係はこんな感じ、ウルトラ弾丸旅行はコンパクトな街だからこそできるのかもしれない