【実録】「あなたの似顔絵を描きたい!」と言ってきた迷惑メールに自分の写真を何十枚も送りつけたらこうなった(その2)
愛子から届いた待望の “直タイピング返信” は、以下のシンプルなものだった。
件名:『直レスOK』顔、私は分かりませんから(笑)
内容:「描きようがありませんよ。それと、お手.続.きはしていただけないのでしょうか?」
……なんなんだ、その「(笑)」は。私の事をナメているのか。ナメてんのか愛子ッ!! そもそも「似顔絵」を持ち出してきたのは愛子だろう。それなのに、なんなんだこの冷たい返信は! もう我慢できない。何が何でも描いてもらう!! 開戦じゃーっ!!
だが、愛子の言うことも一理ある。一理どころか百理ある。たしかに、私はまだ顔写真を送っていない。似顔絵を描いてくれることへの “承諾メール” を送り続けていた……だけにすぎない。私が写真を送らないと、愛子は似顔絵を描きようがない。
ということで私は、すべてのメールに自分の顔写真を添えて返信した。愛子からは、似顔絵の件とは全く関係のない話題のメールが届くが、断じて似顔絵を描いてもらうことを、私の顔面写真と共に要求し続けた。
だが愛子は、相も変わらず似顔絵とは関係のない話を送ってくる。「癌で死んじゃう私だけど……」や「私、9000万円を受け取って、死ぬまでの間、今まで出来なかった楽しい事を沢山したいんです!」などと、泣き落としのメールが山ほど届くが、その一通一通に私の顔写真付きで「似顔絵を描いて下さい」と返信した。
常に同じ顔写真が送られてきたら、さすがの愛子も怖がるかと思い、さらに「もしかしたら正面の似顔絵が不得意なのでは」という懸念もあり、横顔や全身の写真なども添付して、愛子の “似顔絵を描きたくなる欲” をマイルドに刺激し続けた。
さらに、添付する顔写真のサイズを少しずつ大きくしていくというニクイ演出も織り交ぜた。愛子が似顔絵を描いてくれないと、どんどん画像のサイズが大きくなる。どんどん、どんどん……私の顔面写真がデカくなるのだ。同時に容量も大きくなる。
愛子からは「お伝えしているとおり、私は癌で、この先もう長く生きられないんです(汗)」という悲痛なメールが送られてくるが、そんなことより似顔絵だ。早く描かないと、添付画像はどんどんデカくなっていく。いいのか愛子。それでもいいのか?
しばらく写真を送っているうちに、愛子に対するメールに添付するファイルの容量は「最大4.3MBまで」ということが判明したので、限界ギリギリのサイズで攻め続けた。愛子は「私は癌で、この先もう長く生きられない」と言っているが、このままでは、愛子が死ぬ前にメールボックス容量が破裂することだろう。
私だって、こんな仕打ちはしたくない。だが、愛子が似顔絵を描いてくれないと、私の顔がどんどんデカくなっていくというルールを宣言してしまったからには、今さら中止するわけにはいかないのだ。早く描いてくれ愛子っ……たのむ、愛子っ……!!
このままいくと、私の鼻毛まで見えるレベルの超・高解像度になってしまう。もう勘弁してくれ愛子。たのむから、この不毛な戦いにピリオドを打ってくれ。かといってメールの文章に変な「ピ.リ オ.ド」を入れる必要はない。愛子が似顔絵を描けば、この戦争は終わるんだ……!!
──と、そんな顔面メールを送り続けること71通目、ついに愛子から「直タイピングっぽいブチギレ返信メール」が届く! しかし、その内容は、私の顔面71連発が全く無意味だったことを示す無慈悲すぎる文面であった。愛子は何と言ってきたのか、その答えは次ページ(その3)に掲載だ!
Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.