現在北極点に向けて、無補給単独徒歩でチャレンジしている冒険家の荻田泰永氏。26日目(2014年4月2日)の定期連絡が日本の事務局に入ったので、現在の状況についてお伝えしたい。
・荻田氏からの定期連絡(日本時間 4月2日 12:04)
現在地: 北緯84度32分 西経75度59分
この日の移動距離: 11.6km
天候: 晴れ
気温: マイナス29度
4月1日(25日目)と2日の状況報告をまとめてお伝えしよう。
・珍しく寝坊
1日は荻田氏にしては珍しく、朝寝坊してしまったそうだ。通常は朝9時に出発するところを、この日は9時半に起床。「やばい、出なきゃ」と思いながらも、「ま、いっか」と落ち着いて出発したそうだ。そして、北の方角に太陽光を反射して空に照り返している場所を発見。そのような場所には氷が割けたリードがあり、露出した海面が光を反射しているそうだ。
・東西にのびたリードに遭遇
翌2日、光を反射していたと思われる北緯84度29分辺りに到達。果たしてそれは、東西にのびたリードであった。その幅は推定1km、手前側は幸い再氷結しており、そこを歩いて前進。だが、その先が凍結しておらず、しばらく右往左往して向こう側に渡れる箇所を探したそうだ。
偶然、動いている氷の巨大なブロックを発見。そのブロックが向こう岸に向けて、氷をゆっくりと押していたそうである。それに乗って、急いでリードを渡ったと報告している。
・さらに危険が伴う
ついにリードに遭遇した。この先は今までよりもさらに危険が伴うと同時に、カヤックを使って高速移動が可能になる可能性も出てきた。常に危険と隣り合わせであることには変わりない。どうか慎重に判断して、前に進んで欲しい。
情報提供: 荻田泰永 北極点事務局
画像: 荻田泰永 Facebook
執筆: 佐藤英典
▼2014年4月2日現在の荻田氏のおおまかな位置
▼カナダ環境省が公開している北極周辺の衛星写真(2014年4月2日の画像)
▼荻田氏のFacebookより、「これまでのマニュアル化された(北極冒険の)手法が通用しなくなっているのであれば、新しい手法を試行錯誤で作り上げていく。それこそが、冒険の本質だと思う」