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いまやケータイ電話は1人1台の時代。いや、人によっては2台や3台持っていることも珍しくない。こんな世のなかになることを予想できただろうか? 少なくとも私(記者)は、ケータイ電話時代が到来する前に、まったく予想できていなかった。

・充電に悩まなかったポケベル

ケータイが普及し始める直前、世の中には「ポケベル」という代物があった。当時の感覚でいえば、これが扱いやすくて大変便利だったのである。少なくとも、今のように充電に悩むことさえもなかった。そんなポケベル経験をお持ちの人には懐かしい、ポケベルあるあるをお伝えしたい。

・ちょっと懐かしいポケベルあるある

1.固定電話でやり取りをしている時代に、ポケベルの登場に衝撃を受けた
2.留守電によるすれ違いがなくなることに感動した
3.彼女の家に電話をして、親父さんが電話口に出る気まずさから解放された
4.高校生のときに、ポケベルを持たせてもらうために、一生懸命親を説得した
5.急ぎの用事でポケベルを鳴らしたのに、相手に電話で「そんだけ」と言われるのが辛かった
6.番号表示さえされない初期のポケベルでも、十分満足していた
7.番号表示されるようになって、革命が起きたと思った
8.さらにポケベルで文字列が表示されるようになって、「未来が来た」と思った
9.0840
10.724106
11.114106
12.連絡先の番号なのか、文字列によるメッセージなのか、訳がわからなくなって、間違い電話をかけたことがある
13.文字送信まで可能になったとき、ポケベルは不滅のコミュニケーションツールになると思った
14.鬼のようなスピードで「ポケベル打ち」するヤツがいた
15.ポケベルの文字送信で会話してると、結局電話した方が早いということに気付く。でも電話しない
16.学校を怠けているヤツに、授業中にベルを鳴らされるとかなりイラついた
17.学校でポケベルが問題化し、持ってくることが禁止になった
18.PHSとケータイが普及し出したとき、ポケベル派としては焦りを感じた
19.周りが続々とケータイに乗り換えて行くなか、かたくなにポケベルを貫いた
20.国武万里『ポケベルが鳴らなくて』
21.そもそも自分が用事があるのに、相手に電話させるのはどうかな? と思っていた
22.ポケベルを使い始めたら、それ以前どうやって相手と連絡を取っていたのか、思い出せなくなった
23.学生から社会人になったとき、いっぺんに付き合いの幅が狭まってポケベルがただの目覚ましになった
24.ベルが鳴っていないのに、ポケットのなかでブルってなった気がした
25.ベルトループ型のポケベルケースを使っていた
26.チェーンクリップを使っていた
27.多少乱暴に扱っても、簡単に壊れないのがポケベルの良いところ
28.画面のなかに水が入って、文字が読めなくなった。でも鳴る
29.今のLINEの既読スルーとか見ていると、相手の行動がわかりすぎるのも困りものだなと思う
30.ベルを鳴らして電話がかかってくるのを待つのも、決して悪いものではなかった

以上だ。9・10・11番は、ポケベルで文字を打つことができなかったときの代用数字である。順番に「0840」 → 「おはよう」、「724106」 → 「何してる」、「114106」 → 「愛してる」となる。愛情を表現する数字として、「143」 → 「I LOVE YOU」というのもあった。

最近はLINEで連絡を取り合う人も多いと思うが、ポケベルのようなアナログな距離感も悪くないはず。必ず相手が捕まるという状態は、互いに束縛を強いることになりかねない。適度に未読・既読スルーを使って、お互いの「間」を楽しむのも良いのではないだろうか。

執筆: 佐藤英典
イラスト: マミヤ狂四郎

▼ぬり絵もあるぞ
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