流行の発信地である東京・渋谷。そこで食事となると、オシャレなカフェも悪くないが、リーズナブルにガッツリ行きたければ台湾料理『龍の髭』だ。立地もセンター街を抜けたところと、とてもいい。
33年の歴史もあり、渋谷で中華・台湾料理と言えば『龍の髭』だったのだが、その老舗が2014年3月末をもって閉店することとなったという。あの「腸詰め」が食べられなくなるのは、本当に寂しい!
・33年の歴史に幕 / ネット上でも悲しみの声
『龍の髭』は、渋谷センター街を駅と反対方面に抜けた、宇田川町交番の真後ろにある。ランチタイムにはリーズナブルな中華料理の定食が人気。また、遅くまで営業しているので、友達と遊んだあとに軽く食べて帰る、そんな利用の仕方をしていた人も多いだろう。
33年間、多くの人のお腹を満たし続けてきた同店の突然の閉店発表。多くのネットユーザーから、「え!」、「ショックすぎる」、「思い出の場所なのに」と、閉店を惜しむ声が寄せられている。
・「台湾チャーメン」と「腸詰め」を食べる
現地で愛されている台湾料理から、いわゆる定番の中華まで様々なメニューが取り揃えられているが、『龍の髭』と言えば、まずは「腸詰め(650円)」である。
そして、主食だと、肉がゴロゴロの「豚角煮チャーハン」や真っ赤な「坦々麺」、そして、真っ白な「台湾チャーメン」が人気だ。どれも捨てがたいが、ここは、台湾料理店ならではの「台湾チャーメン(750円)」を食べることにした。
・口の中に広がる中華世界
台湾の「腸詰め」は、見た目はソーセージやサラミに似ているが、味は違って甘いのだ。日本人の中には、その甘さが苦手だという人も多いのではないだろうか? 記者(私)も結構苦手である。
だが、『龍の髭』の味は控えめ。辛めのソースにつけて食べると、まずジュワっと肉のウマミが広がる。そして、その後に優しい甘さと中華系スパイス・五香粉(ウーシャンフェン)のような香りが広がるのだ! 口の中は完全に中華世界である。
「腸詰め」は店によって味が違うものだが、日本人の口に合いつつ、同時に強く中華を感じられる「腸詰め」は、あまりないのではないだろうか? とにかく、めちゃくちゃ箸が進む。
・ひたすらシンプルな「台湾チャーメン」
「チャーメン」とは、あまり聞き慣れないが、漢字で書くと「炒麺」。焼きそばのことだ。「台湾チャーメン」真っ白な焼きそば! 麺ともやし、ネギ、肉を炒めて軽く味付けしたという料理である。
色からわかるとおり、味もひたすらシンプルだ。これが美味しいのだが、濃い味が好きな人には物足りないかもしれない。チャーメンの油でツヤツヤしている麺を見ていると、台湾の屋台で食べているような気分になってしまった。
・営業は2014年3月末まで
普段と変わらず賑わう店内を見ていると、3月末に閉店してしまうとは、とても信じられないが、泣いても笑っても営業はあと数日だ。「あの味をもう一度」と思う人や「一回くらい行きたかった」という人は足を運んでおいた方が良いかもしれない。系列店の「中華料理 一番」でも、2014年3月現在、一部同じメニューが提供されているということだが……。
いつもそこにあった店とお別れというのは何とも寂しい。「いままで、ありがとう」という気持ちを伝えるとともに、いつの日か再開されることを願いたい。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 龍の髭
住所 東京都渋谷区宇田川町31-8
時間 11:00~23:00
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼渋谷センター街を、宇田川交番を目指してずんずん歩く
▼メニューはとても豊富だ
▼名物の「腸詰め」と「台湾チャーメン」をセレクト
▼こちらが「腸詰め」
▼ほんのりとした甘さと中華スパイスの香りが絶妙だ
▼真っ白な「台湾チャーメン」
▼具も味も「ここまで!?」というくらいシンプル、でもそれがいい