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繁華街に近くに住む人であれば、街中で1度は目撃したことがあるはず。チョロチョロと駆け抜けるネズミの姿を。食べ物に欠くことがなく、雨風がしのげて場所によっては暖かい繁華街は、ネズミの住みかに打ってつけなのだろう。

そのネズミを駆除するために、ニュージーランドの自然保護を唱える人物が、学生を使った奇策を講じた。それは、ネズミを捕まえるとビールが無料になるというもの。たしかにお酒が飲みたい学生にとって、無料ビールは大変ありがたいのだが、浅はかな作戦ではないのか?

・学生に一役買ってもらう

これは同国ウェリントンのガーレス・モーガン氏が、ビクトリア大学と連携して開始したものである。野生動物の保護を推進しているモーガン氏は、ネズミの繁殖は自然環境を蝕むことになりかねないと考えている。そこで、ネズミを合理的に駆除するために、学生に一役買ってもらいたい考えだ。

・学生寮にネズミが住み着くから

ただ人手が欲しいだけでなく、学生に協力してもらうのには、もうひとつ狙いがある。学生寮にネズミが巣食うことが多いからだ。ネズミを捕えるために、わざわざ捕獲用のトラップまで無償でレンタルしている。学生は遊び感覚でネズミを捕まえ、ビールをタダで飲む。ネズミは減少し野生動物の保護にも役立つ。一石二鳥と考えているらしい。

・以前野良猫対策で失敗

ところが、彼の奇策には前例があり、あまり好ましくない評価を得ているようだ。以前、鳥類保護のために野良猫を減らすための似たような奇策を講じたことがあったという。そのとき、猫が減少したことの影響でネズミが増え、地元住民から猛烈な批判を受けたのだとか。今回のネズミ駆除も、そう簡単に思うような成果を得られないとの見方もあるようだ。

はたして、モーガン氏の画策は結果を出すことができるのだろうか。今後どうなるのか、気になるところである。

参照元: 3NEWS(英語)
執筆: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24