【実録】「あと数時間であなたは死ぬ運命だが、回避すれば13億円のチャンス」とメールしてきた予言者に「私はフリーザだ」と答えたら連絡が途切れた(その4)
突然だが、プロレスには「スイングする」という言葉がある。相手の技を受けきって、さらに “その上” をいく技を仕掛けていく。互いの意地と意地がぶつかり合い、互いを読み合い、信頼し合い、どんどん試合はエスカレートして、やがて試合内容は美しいハーモニーを奏でていく……。そんな状態が「スイング」だ。
かつて長州力と藤波辰爾は、そんな “スイング” する試合を連発して「名勝負数え歌」と賞賛された。だが、私とセイヤのメール勝負は、まったくスイングしていなかった。なんとか試合を成立させようとしているのに、セイヤが応えてくれないのだ。
・もし13億円を受け取れなかったら、あなたは死ぬ
いくら質問しても、答えてくれない。セイヤ氏から届くメールは、一方通行な予言のみ。一方的な試合展開だ。そんなセイヤ氏は、ふたたび私の死を予言してきた。さらに、“13億円受け取り作戦” が失敗した場合の展開まで予言してきたのだった。
【セイヤです。「イイヅカ」さんは純粋過ぎる方です。今まで私は様々な方々の予言をしてきました。その中でも群を抜いています。】
「もう「イイヅカさん」とは再会されましたか?予言によると「イイヅカさん」から再会のコンタクトをされてきます。なのでまだ再開されていなければもう少し待たれてみてください。予言は絶対です。必ず「イイヅカさん」との再会は実現いたします。
そしてイイヅカさんからの13億円は必ず円滑に受け取られてください。これだけの金額です。困惑されたり躊躇されることもあるかもしれませんが、これは「変えられた運命」なのです。そしてもしあなたが「イイヅカさん」から13億円を受け取らなかった場合、また1度は変わった運命が再度変動してしまうと予言で出ています。
1つの予言の変動はイイヅカさんの奥様はその後自殺なされます。そしてもう2つ目の予言の変動はあなたは2度目の死期が訪れます。もちろんすぐにではありませんが、2年ほど経ってから訪れます。
残念ながら今度の死期は回避する術がありません。死因は大腸ガンのようです。大腸ガンが転移して発見された時は既に末期状態にあり、病院でも手を施すことができない状態にまで陥っています。そこまではっきりと見えます。
「イイヅカさん」は恐らく農作業に従事されていらっしゃいませんか? 予言では納屋小屋らしきものが見えました。その納屋小屋で首を吊られて亡くなります。
あなたが「イイヅカさん」と再会し13億円を手にすることで私の予言は完結します。そしてあなたは多くの人々を救っていくのです。必ず「イイヅカさん」からしっかりと13億円を受け取られてください。」
──13億円受け取り作戦が失敗したら、私は大腸ガンで2年後に死亡!! そして「イイヅカさん」の奥さんは首吊り自殺! なんという不吉な予言。つい1年ほど前に大腸ポリープ除手術をした私にとっては、シャレにならない予言である。
私は少しイライラしていた。質問にも答えてくれない。さらに、その後に来たメールは「スマトラ沖地震も中越地震も予言した」だの、「3.11の震災も予言したがブログにはアップしなかった」だの、“私の予言は絶対です” 的な内容だったからだ。
──と、そんな時だった。突然、セイヤ氏が「出会い系サイトに誘った釈明」とも言える内容のメールをしてきたのだ。誰も聞いていないのに。そして、このあたりから、お互いのメールの内容が迷走状態におちいり、やがて破滅に向かうことになる。
【私がコミュニティサイト内から離れて直接メールしているのは金銭的な負担を掛けたくないというだけではありません。】
「13億円という金額に対してあなたはどのような感覚を持たれましたか? 恐らくは天文学的な金額であり、どちらかと言うとただの実感の沸かない大きな数字くらいにしか感覚的にはないのではないですか?
もちろん世間一般から言えば13億円という数字は桁外れの非常に大きな金額です。その天文学的な金額を無償であなたへ譲る方がいらっしゃるということさえ全く現実として受け入れられないんじゃないですか? それは当然のことですから。
ですから私がコミュニティサイトから離れてあなたへ直接連絡することを決めたのは安全の為でもあるのです。やはり直接のやりとりではない場合はどうしても第三者の目に触れることも否定できません。なので私はこの大事な7つ目の予言の実行には直接のやりとり以外はリスクがあると判断したのです。
ですが勘違いはなさらないでください。サイトさんを否定するわけでも、あのような場所でのコミュニケーション方法を否定するわけでは絶対にないのです。
現に「イイヅカさん」から13億円を受け取るタイミングはあの場所でしかできませんし、全ては最初の「イイヅカさん」との出会いから運命は既に始まっていたんです。今からその運命を変えるということは全てを変えてしまうことになります。なので私とは直接このように連絡を取りあってください。」
──おまえは何を言っているんだ。最初にコミュニティサイト(出会い系サイト)に誘導してきたのはセイヤ氏だろう。それを「直メにしよう」と軌道修正したのは私だろう。「直接連絡することを決めたのは安全のため」って、当たり前だろコノヤロー!
すぐさま私は「なんだかよくわからないのですが、直接メールをしたほうが楽なので大丈夫ですよー! ちなみに13億円ですが、銀行口座に振り込んでほしいと思っています。イイヅカさんから振り込まれるということでよろしいでしょうか?」と図々しく返信した。
不穏なムードになってきたメール交換。一体全体、最終的にセイヤ氏は何を狙っているのか。そしてこの後、ついに私はセイヤ氏に対してブチギレて、これまで築いた信頼関係が一気に破綻することになる。最終ラウンドは次ページ(その5)へGOだ!
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.