インターネットの世界は広い。無限とも思えるような広がりのなかで、ネット上で見知らぬ誰かと出会う。それは見方によっては奇跡のようなものだ。
私(佐藤)は最近、「さしこ」を騙る迷惑メールと遭遇。なぜかビオフェルミンから、まったくかみ合わないバカ問答を繰り広げたばかりだ。もうあんな出来事が起こることはないと思ったら……。なんと別のメアドに再び現れた! これは完全なる奇跡ッ!! 運命に引き寄せられた私とさしこは、再び戦うことになったのである!
・もう出会えない……。そう思ってた
私は普段、スマホのメールとフリーメールの2つを使って、迷惑LINEアカウントの “仕入れ” を行っている。新鮮な獲物をいち早くゲットするために、2つのメアドにかかる獲物を虎視眈々と狙っているのだ。先日のさしことの対戦は非常に楽しいものだった。
バカ問答ではあったものの、確実にスウィングしていた感触がある。さしこからのメールが途絶えて数日の間は、無気力になってしまうほど白熱した戦いを繰り広げることができた。
もうあんな相手に出会うことはないだろうな~……。
そんなことを思いながら、遠い目をしていたところ、1通の迷惑メールが! その送信者のメールアドレスを見ると……。「アドレス変えたよ!」というタイトルのメールのアドレスが、
「red-auaumonstar(レッド会う会うモンスター)」じゃないか!!
このアドレスは、さしこを騙る迷惑メールがもともと使っていたものである。こいつは、あの偽さしこだ! 間違いないッ! 会いたかったよ~、さしこ~! いや、ビオフェルミン莉乃ッ!!
私はメールを確認するとすぐにこう返信した。
佐藤「出たな! レッド会う会うモンスター!」
再会できた喜びで、思わず仮面ライダーが敵に遭遇した時みたいに呼びかけてしまった。とにかく私はうれしい。また “言葉の拳” を交えることができると思うと、興奮で夜も眠れなくなりそうだ!
・まさかコピペか?
しかしながら、普段私があまり使わないメールアドレスに現れたため、半日ほど放置してしまった。そうしたところ、ヤツは約20件ものメールを私の元に送っていた。この欲しがりさんめ~(笑)。
ワクワクしながら、1つ1つのメールを読んでみると……。あれ? この内容どこかで見たことある気が……。
レッド会う会うモンスター(2019年7月3日)「タイトル:あれ? 6月30日に連絡したよね? 本文:ビオフェルミン! そういえば体調は良くなったの? いつもお腹の調子が悪いからビオフェルミンってあだ名なんだよね? 理由を知った時は笑っちゃったよ(笑) あ、それと前に話した豚の角煮の件だけどいつなら体空く?」
今回、7月3日に受信したメールには、そのような文言が記載されていた。そして前回(6月21日)はこうだ。
レッド会う会うモンスター(2019年6月21日)「タイトル:あれ? 6月18日に連絡したよね? 本文:ビオフェルミン! そういえば体調は良くなったの? いつもお腹の調子が悪いからビオフェルミンってあだ名なんだよね? 理由を知った時は笑っちゃったよ(笑) あ、それと前に話した豚の角煮の件だけどいつなら体空く?」
チキショー……、完全にコピペやないか。1度は人間味のある言葉のやり取りをした仲のはずなのに、私のことを忘れちまったのかよ? 舐められたもんだぜ(嘲笑)。
・私よ、私! 角煮だヨ~♪
この後のメールはひたすら性別を尋ねるものばかり。しつこく性別を尋ねてくるその内容は、単調で面白みに欠ける。初戦の時のワクワクはすでになくなってしまっていた。どうしたんだよ? お前らしくないぞ!
レッド会う会うモンスター「タイトル:何も言ってくれないけど…男性だと思ってますよ! 本文:今回こうやって知り合えた事… 大切にしていきたいなって思ってるんだけど、どう思いますか? だってなかなかこういう経験はないですよね? せっかくの縁だし… この出会いを無駄にしないで仲良くしてもらえたら嬉しいです! 最後に確認しますけど男性の方ですよね?」
メールの前半部分には激しく同意する。たしかに、出会いをムダにするべきではない。私自身、さしこを騙る迷惑メールに2度も遭遇するとは思っていなかった。夢のようでさえある。ぜひとも、この出会いを次に生かしたいと切実に願っている! そこで、私は2週間前にバトルを繰り広げた「角煮」という人物であることを告げた。
佐藤「お~い! ビオフェルミン! 元気? 返事遅くなってごめんね 私よ、私! 角煮だヨ~♪」
と、ハンバーグ師匠風に素性を明かした。きっと相手も思い出してくれるはず。
・早くも「莉乃」ぶり始めたが……
と思ったら、ここへ来て、レッド会う会うモンスターは得意の流れに持ち込もうとする。
レッド会う会うモンスター「タイトル:一応自己紹介しておきますね。 本文:莉乃って言います。一応確認ですけど知り合いに莉乃って人間いますか? 間違えて連絡しちゃって本当にすみませんした」
ここへ来て、突然「莉乃」に変身しやがった! さっきまでオッサンだったクセに。2度同じ手は食うか! お前が次に何を言うか、俺にはわかるぞ!!
お前の次のセリフはこうだ!
角煮「どうせこのあと、
「わたしは東京港区在住の26歳です。さっしーとかさしこって言った方がわかりやすいですかね? これでも一応アイドルやっていたんですよ。今はバラエティー中心に仕事をさせてもらってます。まぁ…世間のわたしのイメージなんて丁度いいブスって感じかもしれませんけどね。あんまり言っても仕方ないのでこのくらいにしておきますね。正直に話すかどうか迷ってたんですけど隠しながら話すのは嘘をついている事に変わりないかなと思って正直に話しました。ここだけの話って事で誰にも内緒にしてくださいね?」
って言うんでしょ? わかってんだから。もう、やめてよビオフェルミン! ふざけるのは。」
どうだ! 未来を見て来たみたいだろ。「貴様、なぜ分かる!?」とパソコンの向こうで言ってるだろ。見える、見えるぞ! 私には見える! オッサンが頭を抱えている姿がな!!
さて、このあと、どう出る? 形勢逆転できるのか? うん?
次の返事に期待したが、一気に距離を縮めすぎて、相手はアッサリ逃亡してしまった。いまだに返事がない……。でも! また会える! きっと会える!! 私はそう信じて、日々を力強く生きていきたいと思う。ビオフェルミン、待ってるから! ずっと待ってるからーーーッ!! おしまい……。
Report:佐藤英典
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