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ハンバーグやステーキを注文すると、サラダバーやカレーが食べ放題になる形式のレストランがブームになっている。そのブームの火付け役となったのが、豪快な性格で知られる井戸実社長の『ステーキハンバーグ&サラダバー けん』。

・『ステーキガスト』もかなりの人気
だが、それを後追いするように店舗を増やしていったのが、大手ファミレスチェーン「すかいらーく」が運営する『ステーキガスト』である。どちらも同じ業態で人気の高い店として知られているが、いったいどちらが本当にウマくてコスパが良いのだろうか? 実際に2店舗に行き、料理の味とコストパフォーマンスについて、詳しくチェックしてみたぞ。

【メイン料理の価格】微妙にステーキガストの勝利
今回比べてみたのは、多数あるメニューのなかでも比較的リーズナブルな「ハンバーグ」だ。同じ1000円程度のハンバーグでは、ステーキガストは『ビーフ100%ハンバーグ 170グラム』(税込1000円)、ステーキけんは『ハンバーグステーキ 150グラム』(税込1029円)となっており、ステーキガストのほうがややグラム数が多く、29円ほど値段も安い。

【メイン料理の味】ステーキけんの勝利
これは正直意外だったのだが、結論から言うとステーキけんのハンバーグのほうが美味しかった。ステーキガストはビーフ100%なのでもっと肉の弾力が味わえるものかと思いきや、柔らかめで合いびきのハンバーグとさほど変わらない感じだった。それにハンバーグが平らに焼かれているので、全ての部分で食感が同じなのである。

それに比べステーキけんのハンバーグは、中心が厚く外側は薄いため、中心はふっくらジューシーに焼きあがっており、外側はやや脂が落ちてさっぱりした味が楽しめる。また、ハンバーグのグラム数が少ないのでソースが肉全体を包み、ハンバーグ&ソースのちょうど良い一体感を楽しむことができた。

【サラダバーの豊富さ】ステーキけんの勝利
サラダバーは定期的に品ぞろえが変わるのでこれがすべてとは言えないが、記者が訪れたときのサラダバーの種類は以下のとおりになっていた。

・ステーキガスト
豆腐
ほうれん草のごま和え
ひじきの煮物
ミニトマト
コールスローサラダ
ポテトサラダ
スパゲッティサラダ(バジル味)
きゅうり
オニオンスライス
わかめサラダ
ブロッコリー
コーン
レタス
キャベツスライス
コーンスープ
中華スープ
(全15品)

・ステーキけん
水菜
かいわれ大根
大根の千切り
レタス
キャベツスライス
ポテトサラダ
マカロニサラダ
スパゲッティ(ケチャップ味)
ミニトマト
枝豆
ヤングコーン
オニオンスライス
春雨サラダ
わかめサラダ
鶏肉のマリネ
コーン
きゅうり
おくら
うどん
中華スープ
(全20品)

・ブームを巻き起こした店の貫録
……と、ステーキけんのほうが5品ほど多い結果となった。おそらくタイミングによりサラダバーの品揃えは増減すると思うが、さすがサラダバー業態ブームを巻き起こした店の貫録を見せつけられた気がした。味については、どちらもほぼ互角といったところだ。

・サラダバーとお酒を楽しむという違った選択肢
また、ステーキけんは枝豆や鶏肉のマリネなど、単品でビールのつまみとしても成立する料理がサラダバーに含まれているのも非常に良い。なぜならばファミリーレストランには食事として訪れるのが一般的かもしれないが、サラダバーとお酒を楽しむという違った選択肢が広がるからである。

【デザートの豊富さ】同点
次に気になるのが、デザートの種類。こちらも調べてみたところ、以下のとおりとなった。

・ステーキガスト
コーヒーゼリー
フルーツゼリー
ミックスフルーツ
メロン
ぶどう
オレンジ
バナナ
フルーツヨーグルト
(全8品)

・ステーキけん
コーヒーゼリー
フルーツゼリー
チョコレートプリン
フルーツヨーグルト
ライチ
ルビーグレープフルーツ
オレンジ
パイナップル
(全8品)

・味についてもほぼ同点ぐらい
どちらの店も8品のデザートがあり、味についてもほぼ同点ぐらいだろうか。ステーキガストはメロンが食べられるのが嬉しいし、ステーキけんはライチが非常に甘くて美味しかった。

【カレーの味】ステーキけんの勝利
サラダバーと一緒に食べ放題になるカレーは、ステーキけんは粘度が高く具が多い家庭的なカレー、ステーキガストはサラサラしたレストランタイプのカレーである。どちらが好きかについては好みの問題かもしれないが、サラダバーのみで注文したときもメイン料理として成立するのは、具材が豊富なステーキけんのカレーだと判断し、こちらはステーキけんの勝利。

【その他サービス・メニューなど】ステーキけんの勝利
ステーキガストはアイスキャンディーがプラス100円で食べ放題で、さらにフォカッチャやパンまである豊富な品揃えが魅力的。また、定期的に出るフェアメニューも非常に美味しそうなものがたくさんだ。だが、ステーキけんはベルギーワッフルを自分で焼けるなどメインの食事とは別の楽しみがあったり、小学校1年生までの子供はサラダバーとドリンクバーが無料というところが、ステーキガストを超えた圧倒的なアドバンテージになりステーキけんの勝利となった。

【総合評価】ステーキけんの勝利
すべての点を考えてジャッジすると、ウマくてコスパが良い店は、ステーキけんであると感じた。ネット上にはステーキけんに対してさまざまな評価があるが、私は2店を比べて、過去に井戸社長が週プレNEWSの取材に対して発言した

「実際、店によって“うまい「けん」”と“マズい「けん」”がある。そして“マズい「けん」”なんてつぶれてしまえばいいんです。」
週プレNEWSより引用

・店内も衛生的だったし接客もとても丁寧
というひとことを思い出した。もしかすると私が今回訪れたけんは、井戸社長の言う「うまいステーキけん」のほうだったのだろうか。思い返せば店内も衛生的だったし、接客もとても丁寧だった。また、店長らしき男性が他の従業員に対して丁寧に仕事を教えている姿を見たのも、好印象だった。

・徹底されたマニュアルの存在
ステーキガストは老舗レストランチェーンの徹底されたマニュアルがあるので、比較的簡単に仕事を覚えられるのかもしれないが、ステーキけんは新しいチェーンで急拡大したため、まだできる人が運営する店舗と、慣れていない人が運営する店舗で大きな差が生まれている可能性がある。

・完全無敵のレストランチェーンが生まれる?
もし「うまいステーキけん」の味やサービスを全店舗で実施することができれば、もしかすると井戸社長のように完全無敵のレストランチェーンが生まれるのかもしれない。一部のステーキけんではパスタメニューの追加も行っているようだし、今後もステーキけんからますます目が離せなくなった。

Report: なかの

▼ステーキガストのハンバーグとサラダバー
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▼ステーキけんのハンバーグとサラダバー
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