記者(私)はこれまで、世界中のさまざまな国・地域を訪れてきました。行く先々で必ずといって良いほど、訪れる場所があります。それはその国・地域の宗教施設です。日本でも神社仏閣が、歴史と宗教、文化を集約しているのと同じように、その国を知るうえで宗教施設はとても参考になるからです。

記者はイスラム教圏の国々を旅するうちに、モスク(イスラム教の礼拝堂)に魅了されてしまいました。モスクには、日本の文化にはない石造建築の「美」があります。そして壁や床に施された幾何学模様に、言葉では表せないような深い意義を感じます。取り分け「マスジェデ・ナスィーロル・モスク」のステンドグラスの光に、息をのむほどの美しさを感じました。

このモスクは、イランの首都から飛行機で1時間半の「シーラーズ」という街にあります。人口約120万人のこの街には、歴史的に重要な旧跡が200以上もあるといわれています。マスジェデ・ナスィーロル・モスクはそのうちのひとつです。

ステンドグラスの光は朝早い時間にしか見ることができません。朝日が当たるときにだけ、光り輝くように設計されているために、昼時に行ったのでは手遅れになってしまいます。緻密に織り込まれたペルシャ絨毯のうえに、ステンドグラスの光が落ちる様子は、この世のものとは思えないほど美しいです。

もし仮に宗教に関心がなくても、この光を見ると自然に手を合わせたい気持ちになるでしょう。このモスクを造った人たちは、光を通して「信仰」を伝えようとしていたのかもしれません。

取材、写真:Photographer Koach
編集:フードクイーン・佐藤