古くから日本はもちろん、世界でも食用として食されている昆虫「イナゴ」。タンパク質やカルシウムも豊富で、最もメジャーな食べ方としては佃煮(つくだに)があげられる。実際に食べてみると本当に美味しいのだが、「グロいから無理!」と敬遠している人も多いだろう。なんてもったいない。美味しいのに!
イナゴがどれだけ美味しいのかは、同じような見た目の昆虫であるバッタ、そしてコオロギと食べ比べてみると一発で理解できる。ということで今回は、バッタ・コオロギ・イナゴの味の違いをお伝えしたい。
それぞれの昆虫は畑で採取。調理方法はフライパンで焼くだけだ。自然界で生きてきた新鮮な昆虫を、そのままサクっと炒めて食べる。それぞれの味は以下のような感じである。
・バッタ
緑色のバッタを炒めると、実は色が大きく変化する。何色になるのかご存知だろうか? なんと赤くなるのである。エビのような色になるのである。そして、味もエビに近い。海老のカラに近いといえる。
カリカリ・バリバリとした食感で、味は「エビ+自然の味+昆虫風味」といった感じである。>ビールのおつまみにもってこいだ。もしも目を閉じて食べたなら、「やたらとワイルドで大味なエビだなぁ」と思うだろう。しかしながら、単独で食べ続けていると飽きる。
・コオロギ
今回用意した3種類の中で、もっとも見た目がグロいのがコオロギである。とある有名な作家さんは、エッセイの中で「見た目はほとんどゴキブリだ。違うのはリンリンと鳴くか鳴かないかくらいなもの」とまで評していた。たしかに、後ろ足を水平に倒せばゴキブリのようにも見えてしまう。
そんなコオロギだが、味の方は「マイルド」である。軽やかなスナック系のバッタとはぜんぜん違い、じんわりと口の中に濃厚な味が広がるのだ。たまに「ブンニュ」といった食感のものもあるが、味は濃い目で、ほんの少しだけフルーティー。佃煮にしても良さそうなテイストだ。バッタよりも昆虫風味が強い。
・イナゴ
ハッキリ言って、上記2種の昆虫とは味のレベルが違いすぎる。バッタとコオロギを食べた時には、どうしても「昆虫風味」が口に残り、「昆虫」としての壁を超えられない感じだが、イナゴは昆虫としての壁を突破して「食材」としての風格をもっている。
むしゃ、と食べると口に広がる奥深い味。まさにイナゴ、といった味。佃煮で食べると佃煮としての味が印象に残るが、ササッと炒めて食べてみると、イナゴの真の味が堪能できる。食感よし、濃厚な味よし、後味よし……まさに完璧すぎるほどの昆虫である。
どのくらいレベルが違うのかというと、「イナゴ>>>>>>>>>>>超えられない壁>>>>>コオロギ>バッタ」といった具合。圧倒的に食材としての完成度が高い。まだイナゴを食べたことのない人は、まずは佃煮からチャレンジしてみよう。おいしいぞ!
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
▼焼いたり湯通ししたりすると赤くなる。この中にイナゴもまぎれている。
▼カリッとした食感。ビールが欲しくなる味である。
▼コオロギを炒める。
▼見た目はグロいが、味はなかなか濃厚。小動物が好みそうな味である。
■再度閲覧注意(食べている写真が下にあります)■
▼ちゃんと食べてます。
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