以前の記事で、熊本県にある世界初の「昆虫食自販機」についてお伝えした。これを紹介した当サイトの砂子間正貫は虫嫌いであるにも関わらず、苦手意識を押し殺してカブトムシを食べた。「生涯忘れることはないでしょう……」とコメントしているほど、鮮烈な経験だったようだ。

熊本まで行かないと昆虫食自販機を利用できないのか……そう落胆している都内の昆虫食ファンに朗報である。なんと、東京・高田馬場に自販機がお目見えしたらしい。ということで、私(佐藤)も早速行ってみたところ、購入した商品から思いもよらぬものが出てきた! なぜコレが入ってるんだ!?

・話題の昆虫食

熊本の自販機は、熊本市中央区の風船専門店『DISCOVER BALLOON』の店頭にあるそうだ。


東京都内で昆虫食といえば、ジビエ専門店の「米とサーカス」がよく知られている。ここはダチョウやワニなどちょっと変わった食材を提供するだけでなく、イナゴやタケムシ、ゲンゴロウなどもメニューに記載されている居酒屋である。砂子間はカブトムシを終生の思い出にしたが、私はここで食べたゲンゴロウを生涯忘れることはないでしょう……。

このお店の店頭に、24時間利用可能な昆虫食自販機が登場した。


・土砂降りのなかを

購入時の状況に関して、あからじめお伝えしておかなければならない情報がある。この日はあいにくの大雨だった。私はここに来るまでの間に、強風で傘が壊れてしまい、ずぶ濡れになりながら、昆虫食自販機を利用するという、一生に1度あるかないかの状況に陥っていたのである。今買うべきなのは、昆虫食じゃねえ、傘じゃ~。


という訳で、私は速やかに買い物を済ませて、この場を立ち去りたい。その一心であった。ところが、そう簡単に物事は進まなかった……。


・買うのに苦戦……

降りしきる雨になかば視界を遮られるような格好で商品を見る。自販機自体も濡れており、値段のところが見えたり見えなかったりしている。1つ1つ手で拭きながら値段を確認すると、商品は1000円と800円、そして600円の3種類あることがわかった。


小銭あったかな、サイフを尻ポケットから取り出して確かめる気になれない。1000円札1枚突っ込んで終わらせたかった。この「珍食材」という商品は1000円だな。コレでいい、コレ買って帰ろう!


だが! 自販機を見ると、お札の挿入口がない!!


マジかよ……。仕方なく、尻ポケットから財布を取り出す。


ベチャベチャの手で小銭入れを見ると、100円玉は~、1……2……、3、4、5……、6…………、7、8、9、10。1000円あった、それを今一度手のひらに広げて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と硬貨の挿入口に入れる。


この時、この瞬間の私の胸の内を一言で説明するとしたら……。


「面倒くさい」


面倒くさいが、この状況にあらがう元気はない。とにかくさっきの珍食材を買わねば。しかし再び試練、品切れらしくボタンを押しても出て来ない……。


もういい、何でもいい。早く雨風の凌げる場所に行きたい。何も考えずに青い購入可能なランプのついている600円のボタンを押した。買えれば何でも良かった……。ところが、その考えが間違っていたと、あとで判明する


とにかく出て来た円筒形のプラスチック容器をカバンに詰め込んで、逃げるようにしてその場を去った。雨のなかを折れた傘を手に、ずぶ濡れになって走ったのは、高校生以来だ……。


・中身を見る

一夜明けて、昨日の土砂降りがウソのような快晴に。


びしょ濡れにはなった私だが、幸い風邪をひくこともなく、カバンの中に入れていたパソコンなども壊れずに済んだ。もちろん、あのプラスチック容器も無事だ。あらためて容器を見てみると、「Super コオロギ SNACK」と書いてある。


まあ、カブトムシに比べたら、コオロギなんてお菓子みたいなもんだから、スナックって書いてあるのかな~。それにしても重い。この容器、やたら重いぞ。コオロギって重いのか? なかにぎっしり詰まってんじゃないの? と思いつつ、裏返してみると……



ボルトナット ×2


どう見ても、ホームセンターで買ってきたような代物じゃないか。なんでこんなものが……。その理由は、容器から中身を出したところですぐにわかった。


本体(コオロギスナック)はめちゃくちゃ軽い。おそらく中身が軽すぎるために、購入時に自販機からスムーズに商品が出ないのだろう。加重するため、容器にこの2本のボルトナットを入れたのではないだろうか。残念だが、今の私にはボルトナットは必要ない。もしかしたら、ある日突然必要とする場面が来るかもしれないので、机の引き出しの奥底に隠しておいた。


・コオロギスナック

あらためて本体を見よう。このなかにコオロギが入っているのか? コオロギ、出て来いや!!


渾身の力を込めて、袋を開けようとするが開かねえ~!


この程度のことで読者の貴重な時間を取りたくないというのに! この記事いつ終わるんだよって、書いてる私だって思ってるよ、もうエンディングを迎えたいよ、マジで! ということで、袋を無理やり開けてみると、そのなかにあったのは……。


スナック菓子だったーーーッ!!!!


袋の商品説明を読んでみると、カナダ産のオーガニックコオロギと日本産の玄米を使ったナチュラルスナックとのことである。


味はごくごく一般的な玄米菓子。コオロギが入っているかもしれないが、私自身、コオロギを食べた覚えがないので、コオロギ味がするのかどうかは不明。昼下がりのおやつにちょうど良い味である。ちなみにお店の公式Facebookによると、自販機にはシルクワームやサゴワーム、バッタなどが入っているそうだ。次はバッタを買おう、うん。


まさかあの時、テンパって600円の商品を買ったばっかりに、こんな形の終わりを迎えるとは。私自身驚きである。ご清聴、ありがとうございました。

追記(2019年5月27日11時30分):文中で「お札を入れるところがない」と記載しておりましたが、読者様からのご指摘を受け、改めて確認したところ、お札の入れ口があることを確認しました。大変失礼しました。


・今回訪問した店舗の情報

店名 米とサーカス
住所 東京都新宿区高田馬場2-19-8
営業時間 17:00~24:00
定休日 なし

参照元:Facebook
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24