那覇市と海上自衛隊第5航空群が開催を予定していた、子供向け雪遊びのイベントが中止されることとなった。青森県十和田市から搬送した雪に対して、父母から放射性物質が含まれているのでは? との懸念の声があがり、同市はこれらの声に配慮して中止する決定を2012年2月21日に行ったのである。

ところが一部報道で、中止から一転し再度開催される方向で検討に入ったと報じられている。これは一体どういうことなのだろうか? 同市の担当に確認してみたところ、どうやら開催の道は断念し、別イベントに協力することが判明したのである。ややこしい状況なのだが、今一度流れを振り返ってみよう。

当初、21日と23日に同市内で開催予定だったイベントは20日の段階で、沖縄に避難してきた幼い子どもを持つ保護者らの訴えにより、中止されることとなった。

雪はすでに16日に搬送されており、その一部は希望する病院などの施設に配布している。中止を決定したはずだったのだが、23日朝になって一部報道で、再度開催を検討していることが報じられた。風評被害を懸念してイベントを望む声が複数寄せられたために、実現の可能性をあらためて検討することになったというのだが……。

市の担当者に尋ねたところ、開催を検討するのではなく、別の児童団体が主催するイベントに協力することを決定したようだ。その団体は独自に2月28日にイベントを行う予定で、施設(駐車場)の使用に関して昨日(22日)に申請を行い、市はこれに協力することを決めた。

したがって中止の決定がくつがえった訳ではないようだ。なお、沖縄タイムスが報じるところでは、中止発表後に開催を望む電話は26件かかってきたのに対して、中止を支持する意見は1件しかなかったとのことだ。もしかしたら、事前説明を徹底していれば、中止をまぬがれた可能性も否めない。

ちなみに懸念された放射線量なのだが、搬送時・到着時の2回計測した結果、平常値であったと報じられている。数値的には問題はなかったようだ。なお、この雪遊ぶイベントは2004年頃から毎年開催されてきた。雪に触れる機会の少ない子どもたちにとって、このイベントは貴重な経験であるに違いない。開催を心待ちにしていた子どもたちに、きちんと説明がされたのかどうか、非常に気がかりだ。

参照元:沖縄タイムス