ドライブはいい。あらためて……イイッ!と思った。先日お伝えした「100%電気自動車 日産『LEAF』がマジでスゴい」なる記事でもチラっと触れたが、日産からお借りしたLEAFでのドライブ取材が実に楽しかったのである。

取材したのは当編集部の記者3人。当然ながら、全員、運転免許は持っている。出発地は横浜の日産本社で、目的地は湘南・江ノ島。まず運転席に座ったのは、この記事を書いている記者(私)である。

ハイブリッド車でさえレンタカーで1度乗っただけの私にとって、100%電気自動車のLEAFは、まさに、まさに未知なる世界。しかし、操作はメチャ簡単だった。まるでパソコンを「起動」するがごとく電源を入れると、LEAFもブワーンと起動して、もうスタンバイはOKだ。
 
アクセルを踏むと、とても静かに、それはそれは静かに……スムーズに動く! シュイーン……と動く。例えて言うなら、リニアモーターカーである。

ハンドルも軽く、小回りもきく。さらに、視界がとても広い。実はそこまで運転が得意でない私でも、無駄な怖さを感じることなく運転することができる。これは大きい。運転下手な人にとっては、本当に大きいポイントだ。
 
余裕の表情で運転する私の顔を見て、助手席に座る女性記者は「私も運転したいですぅ!」ときた。きっと彼女も、視界の広さから怖さを感じなかったのだろう。「次のコンビニで交代しましょう」と彼女。

でも、まだ、だめである。海までは私が行く。そうと心に決めている。だからハンドルは渡さない。軽く黙殺すると、彼女は粛々と車載ナビのナビを始めた。「このまましばらく、まっすぐだそうです……」。そう、それでいい。それでいいのだ。
 
一方、同行した大柄の記者(男)は、後部座席でふんぞり返っている。きちんとシートベルトはしめているが、ふんぞり返りつつ、車窓から景色をバシャバシャ撮影しているではないか。

女性記者が小柄なおかげで、助手席位置はかなりの前方。後部座席の足元は、まるでリムジンなみに広いのだ。実に快適な体勢で、激写しまくる男性記者。その体勢がチョットだけ羨ましいが、交代してから私もやろうと心に決めた。
 
車内に響くシャッター音と、ナビの声と、ナビのナビをする女性記者のシットリとした美声。実にイイカンジである。しかも平日。空は晴天。なんて、なんて幸せなんだ……と、その時!
 
「海だぁ~~~☆」
 
女性記者の甘ったるい声が、さらに甘ったるく「海だぁ☆」と発音。余裕をかまして横を見ると、なるほど確かに海である。青く広い海である。太陽の光が反射して、CGのように輝いているではないか! しかも江ノ島まで見えている。カメラマニアの男性記者は、バシャバシャバシャバシャバシャバシャと、凶悪なまでの連射モードで海と江の島を撮影していた。
 
LEAFは江ノ島近辺の駐車場へ。さすがは平日、がら空きである。これは余裕のヨッチャンで駐し放題!だったのだが、思い切り駐車ガイド線をまたいでしまったため、情けなくも2回ほど切り返した。
 
女性記者「江ノ島だぁ~~~☆」
カメラ「バシャバシャバシャバシャバシャバシャ」
 
女性記者と男性記者は、一眼レフのカメラを手に取り、一目散で江の島へ。「まったく、しょうがないやつらだな」と、私は大人ぶってLEAFから外に出たが、海のかおりと太陽のかおりが私の旅情を強く刺激し、「待って、待って~!」と、やや乙女風に駆け足をし、彼らと合流した。
 
その後、我々は江ノ島に住むニャンコを撮影したり、「たこせんべい」をバリバリと食べまくったり、江ノ島展望台「シーキャンドル」にのぼり、海抜100メートルの高さから海をフルオート連射で3人それぞれ激写しまくった。ランチはもちろん、網元直営店の「しらす丼」だ。
 
ひとしきり江ノ島を満喫した後は、女性記者とカメラマニアの男性記者が交代交代でLEAFを運転。それぞれキャッキャと楽しそうに運転していたが、私は後部座席でふんぞり返っていた。小柄な人を前に乗せると、実に後部座席は快適である。このままワインでも飲みたいくらいに、快適なのである。
 
ほとんど振動も音もなく、リニアモーターカーのように進むLEAF……
 
……ふと気づいたら、もう横浜の日産本社だった。そう、私は寝ていたのである。すやすやと寝ていたのである。運転するのも楽しいが、車で寝るのもまた幸せである。ドライブは3人くらいで行くに限る。4人だと、後部座席が窮屈だからだ。ドライブはいい。実にいい。(完)
 
――ちなみに、このようなドライブの思い出や、クルマのエピソードなどを「Drive Heart」では募集している。Drive Heartとは、国内自動車メーカー8社が業界を横断し、「若者にもっとクルマを好きになってもらうために」集い、考え、行動していく取り組み『Drive Japan』が募集するユーザー参加型の企画である。

もしもステキなエピソードがあったら応募してみよう。私も応募してみようかしら。

参考リンク:Drive Heart