この1年のうちに、『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』など、お笑いネタ番組が次々に打ち切りを迎えた中で、唯一とも言える生き残りを果たしているのが、深夜番組『あらびき団』である。この番組は、いわゆるネタ番組とはひと味違う。芸人、アイドル、一般人など、あらゆるタイプの荒削りな芸を持つ「あらびきパフォーマー」達が、ライト東野(東野幸治)とレフト藤井(藤井隆)に自らの芸をVTRで披露する、という形になっている。

この番組では、狭い意味での「お笑い」だけでなく、音楽を演奏したり、ダンスや曲芸をするような、多彩なジャンルのパフォーマーが次々に出てくる。しかも、ただうまいだけの芸は感心されるだけであまり評価されず、大ざっぱだが妙に味があったり、失敗しても笑えるようなネタの方が注目される場合が多い。そんな独特の雰囲気を持った番組だからこそ、深夜枠で根強い支持を受けているのだろう。

そんな番組をまとめているのが、MCの1人である東野幸治だ。彼がパフォーマー達に投げかける容赦ない言葉の数々は、この番組を彩る最高のスパイスになっている。

2月15日放送の『あらびき団』でも、そんな場面があった。登場したのは、なぞかけで知られるWコロン・ねづっちの相方である木曽さんちゅう。彼が披露したのは、駅弁に詳しいという特技を生かした短いネタ。構成が散漫でまとまりがなかった上に、最後にスタッフが用意した駅弁の駅名を当てることもできず、何とも中途半端な出来だった。それを見終わった東野は、開口一番にこう言い放った。

「こんなマイナス要素の多いネタ初めてや」

それから、ネタに関する細かいダメ出しが始まった。弱点をひとつひとつ的確に指摘しながら、「何一つ長所を見つけられず」と、とどめの一言。一方的にけなしているようにも見えるが、東野はツッコミをいれることで間接的に彼らを救って「おいしく」している。荒削りな芸とクールなツッコミ。不思議なバランスを保っているこの番組の勢いは、まだまだ衰えていない。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田

イラスト:マミヤ狂四郎