どれが真のニセMacなのか……。熾烈極まる中国のニセMac業界。もはや戦国時代に突入したと言っても過言ではないだろう。

そんな中、どこよりも「本物」を目指す、ブレーキの壊れたガンコ職人のようなメーカーがある。その名も「Dragonfly」。中国語では「蜻蛉(とんぼ)」と書き、その名の通りメーカーロゴはトンボのマーク。そんなDragonflyのホームページは、本家本元アップルにソックリ。これも本物を意識しすぎた結果なのであろうか。

Dragonflyの本物志向は、最新作のノートブック「Q Pro」にも現れている。念の為に書くが、「QT Pro(クイックタイムプロ)」ではない。「Q Pro」である。

どっからどう見てもMacBook ProソックリなQ Pro最大の特徴は、なんと「Unibodyデザイン」までパクッてしまったという点だ。

Unibodyとは、一枚のアルミ板から削り出された、継ぎ目のないなめらかな筺体のこと。果たして本当にアルミ削り出しでQ Proを作っているのかどうかは怪しいところだが、Dragonfly社は「新設計アルヨッ!」と自信満々。

そして本体背面のロゴは、もちろんアップルマークのニセシール……ではなく、誇り高きDragonfly社のトンボマークが! 「どや」と言わんばかりの堂々とした佇まい。そんな「Q Pro」のスペックは以下の通りだ。

・CPU:Intel Atom D510(1.66GHz)
・メモリ:1GB(最大4GB)
・HDD:160GB(5400rpm)
・ディスプレイ:14インチ(解像度1366×768)
・USB:3つ
・SDカードスロット:あり
・通信:LAN端子、無線LAN内蔵、Bluetooth内蔵
・HDMI出力端子、VGA出力端子あり
・OS:Windows7
・実勢価格:約3250元(約4万円)

他のメーカーから発売されているニセMacBookと比べると若干高い値段設定になっている。おそらくDragonflyのブランド力と、Unibodyのためであろう。

なお、Dragonfly社は「Q Pro」以外にも、iMacソックリな「Q DT」、iPadソックリな「Q PAD」と、様々なニセアップル商品をリリースしている。しかしホームページのどこを見ても、アップルのアの字も出ていない。きっとDragonfly社はこう言いたいのだろう。「オリジナルは俺アルヨ!」と。

(文=GO
screenshot:qingting.biz

▼ホンモノのアップルのページとみくらべてみよう!

▼死ぬほどカッコ悪いトンボマーク。

▼箱は意外と地味である。

▼灰色の東京タワーは何を意味し、何を暗示しているのか?

▼意地もプライドもへったくりもない「Q DT」。

■参考リンク
Dragonfly(中文)