記者はかねてから『焼きプリン』を不思議に思っている。よくコンビニエンスストアのデザートコーナーで『焼プリン』という商品を見かけるだが、焼プリンはどうやって焼いているのだろうか? プリンにする途中で焼くの? それともできあがってから焼くの? できあがってから焼くならば、普通のプリンを焼いたら焼プリンになるんじゃないの? この疑問を解決するために実際にプリンを焼いてみた。
さっそくコンビニエンスストアで普通のプリンを買ってきて、何も考えずに熱したフライパンに投入。すると、アッという間にドロドログチョグチョと溶けてしまった。まずい! このままではすべてが液体になってしまう! 急いでフライパンから救出。しかし時すでに遅く、半分が液体と化してしまったのだ。どうやら直火で焼いても焼プリンにはならないようである。
念のため味見をしてみると、これがあまりおいしくない。見た目はハンバーグみたいで、結構おいしそうに見えるのだが、熱くも冷たくもなく、ネバネバして甘いだけ。とてもおいしいとは言えない……。
そこで今後はアルミホイルに包んで、魚を焼くグリルに突っ込んでみた。電子レンジで試してもよかったのだが、水分が多いのできっと爆発するに違いない。安全を期すためにグリルで焼いてみることにした。水分が多いのでなかなか火が通らなかったが、超弱火で約20分間熱してみたところ、ほぼ原型をとどめたまま内部まで火が通った。
そして一口食べてみる……。お! これはいいんじゃないか? まるで玉子豆腐を食べているようだ。甘めの豆腐っぽい風味だ。バニラアイスかチョコレートソースがあるとさらにおいしくなるのではないだろうか? ホイルで包んでいるために、市販の焼プリンのように焼き目はつかなかったが、これはこれで十分おいしい。
結局、自力では市販の焼プリンにはならなかった。焼プリンの作り方を調べたところ、焼プリンはプリンを作ったのちに表面にグラニュー糖やブラウンシュガーをふりかけて、バーナーであぶっているそうだ。なるほど、普通のプリンを焼いても焼きプリンにはならないわけだ。
しかしちょっと納得がいかない。それって焼いてないんじゃないの? 一瞬だけあぶってるだけだし……。それならいっそ、商品名を『あぶりプリン』にした方がよいのではないだろうか? 異論は全面的に認める。
Photo by Rocket NEws24 Staff / 本誌佐藤記者撮影