ある意味、密室状態とも言える飛行機の中では、何かトラブルがあっても全て機内で対処しなければならない。それだけに客室乗務員は、とっさに物事を判断して解決に当たらなければならないこともある。

そんななか、米客室乗務員が「ワインボトルで搭乗客の頭を強打」する事態が発生! なんでも、乗客の迷惑行為を阻止するために、やむを得なく取った行動だと報じられている。

・出口の扉を何度も開けようとした搭乗客

米ニュースサイト『The Washington Post』によると、米フロリダ州タンパ国際空港から出発したデルタ航空の129便が、北京へ向かっていた時にまさかの事態は起こった。

その発端は、ファーストクラスの座席に座っていた23歳のジョセフ・ダニエル・フデク・4世という男性がトイレに行った直後、いきなり出口の扉を開けようとしたことからだった。止めようとした搭乗員が突き飛ばされると、目撃した他の乗客も止めに入る騒ぎとなったという。

・搭乗員が男の頭をワインボトルで強打!

それでもフデクは何度も出口の扉を開けようと試みて激しく抵抗。阻止しようとした搭乗員の顔を殴りつけたかと思えば、ワインボトルで乗客も殴り、何としてでも扉を開けようと必死になっていたのだとか。ついに事態は、報告を受けたパイロットが最寄りの空港に緊急着陸するために機体を旋回するまで悪化した。

そうしたなかで客室乗務員が驚きの行動に出たのは、その次の瞬間。どうにも迷惑行為をやめようとしないフデクを見かねると、なんとワインボトル2本でフデクの頭を殴打! ボトル1本が半分に割れ、大乱闘になってしまったようだ。

・最高20年の懲役と25万ドルの罰金に!?

米ニュースサイト『USA TODAY』によると、ワインボトルで殴られても平然としていたフデクは、「俺が誰だか分かっているのか!?」と叫んでいたとのこと。最後はなんとか結束バンドで手首を拘束し、取り押さえられたそうである。

緊急着陸したシアトル・タコマ国際空港で逮捕されたフデクは、最高20年の懲役と25万ドル(約2840万円)の罰金を科せられる可能性があると伝えられている。一体なぜ、フデクが出口の扉を開けようとしていたのかどうかは不明だが、ひどい怪我人が出ず、墜落事故にならなかったのが不幸中の幸いである。

参照元:The Washington PostUSA TODAY(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.