飛行機では、様々な出来事が起こる。「客室乗務員の神対応」なんて素敵なエピソードもあるが、「乗客同士によるケンカ」や「迷惑行為」の話の方がより多く聞かれる気がする。やはり、あの狭い空間に長時間押し込まれるストレスだろうか……。

この度も、ある男性が非常識な行動をとった。飛行機の到着が遅れていることにシビレをきらした彼は、非常口を開けて自力で脱出しようとしたというのである。その模様を収めた動画とともに、詳細をお伝えしたい。

・男性「翼から降りてやる!」と非常口をオープン

新年早々、騒動が起こったのは、イギリス発スペイン行きのライアンエアFR8164便機内でのことだ。

英メディア『The Guardian』によると、飛行機は予定時刻を1時間過ぎてロンドン・スタンステッド空港を出発。スペイン・マラガ空港に到着してからも、乗客はすぐに降ろされず、なんの説明もないまま30分間も機内で待たされたのだとか。

そのような状況にシビレをきらしたのが、乗客のポーランド人男性(57歳)だ。彼は「翼から降りてやる!」と宣言すると、飛行機の非常口をオープン! そのまま外に出て行ってしまったのだ。

・乗客が男性の姿を撮影

同機に乗り合わせたフェルナンド・デル・バジェ・ヴィラロボスさんは、そんな男性の様子をカメラで撮影した。スペインメディア『La Vanguardia』がYouTube上にアップしたその動画を再生すると、荷物を手にした男性が、飛行機の翼端に腰掛けている姿が見える。

男性は、しばらくの間そうやって座っていたとのことだが、最終的にはスタッフの説得に応じて、翼から飛び降りることなく機内に戻ったそう。そして駆けつけた空港警察によって逮捕されたのだった。

・ただイライラしていただけではない?

『Mail Online』によると、男性には非常口を開けなければならない理由があったようだ。彼の隣に座っていたという乗客は、ぜんそくの発作を起こし、新鮮な空気を必要としていたと証言しているのだ。

「フライト中に彼は何度も吸入器を使用していました。離陸前には薬だって飲んでいたんです」

「ぜんそくで新鮮な空気が必要だったから、彼は非常口を開けたんです。その前に彼は何度もスタッフに訴えていましたが、誰も彼の言うことに耳を貸さなかった 」

・ネット上では「こんな行動だってとりたくなる」と男性を同情する声が

ネット上では男性を非難する声が聞かれる一方で、「彼の気持ちはよーく分かる」「ヒドい航空会社もある。こんな行動だってとりたくなる」などと男性に対する同情の意見も多くあがっている。

たしかに到着が遅れ、その上、機内に閉じ込められれば誰だって不安になるだろう。また、ユナイテッド航空が乗客を無理矢理引きずり降ろしたように、航空会社が客に対して非情になる場合があることも人々は分かっているのだ。

とは言え、違反行為は違反行為。男性には、何十万円もの重い罰金が課せられると見られているのだった。

参照元:The GuardianMail Online(英語)、YouTube
執筆:小千谷サチ

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