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カップそばと言えば「赤いきつね」と「緑のたぬき」を最初に思い浮かべる人は多いだろう。これらの商品からも分かる通り、きつねそばとかき揚げそばは、そば界の2大スターだ。そのトッピングを外してそばは語れない。

ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。今回は、絶品のきつねそばをご紹介したい。きつねそばを制す者はそばを制す

・平均点が高い「きつねそば」という存在

そもそも、きつねそばとはカレーのようなものである。どの店で食べてもそこそこウマく、平均点が高い代わりに、突き抜けたウマさにも出会いにくい。具材が揚げと決まっているだけに、つゆやそばの味がより重要になってくる。個人的には、ごまかしが効かないそばであると思う。

・最強のきつねそば

基本にして最強、きつねそばがウマい店は間違いない。そう思っている私がノックアウトされたのが、東京は八丁堀の『更科 丸屋』の「冷やしきつねそば(1000円)」である。
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大判のきつね3枚、玉子、プチトマト、ちくわ、キュウリ、梅干しと、麺が見えないほど盛りだくさんの具材はさながら森!

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・宝物のような麺

まずその見た目に圧倒されるが、さらに目を奪われたのは熟練の技が感じられる白く美しい麺。古き良き雰囲気を醸し出す温かい電灯の下でも、光り輝くような細麺は深い森の中に隠された宝物のようである。食べてみると……
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「ビシッ!」と締まったコシのある食感。そして、口の中にそばの風味が一瞬広がったかと思うと、「シュルシュルリーン!」とのどの奥に集束していく。そののど越しは、透明な泉の水を飲んでいるような清涼感。MP(マジックポイント)が回復しそうな味である
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さらに、具も侮れない。しっとりつゆを吸った甘辛いお揚げがウマいのは言うまでもなく、黄身どころか白身もトロトロにトロける半熟玉子はもはや「職人の技」を感じるレベル。その上で、ちくわ、プチトマト、キュウリ、ワカメが爽やかさと野菜の甘みをプラスする。丁寧に折り重なるような「和」の味だ。
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・積み上げられた和の高み

これだけでも十分に素晴らしいのだが、曲者(くせもの)なのが天辺に座る梅干し。塩辛いと言っても過言ではない酸っぱさの果肉を食べながらそばをすすると……これがナイスコンビネーション! 酸味と甘みが交互にやってきてやめられない止まらない!!
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具は全て普通のものであるにもかかわらず、調理と組み合わせの妙に脱帽である。技と繊細さを積み重ねた高みを見せてくれたこのきつねそば。その輝きは、決して太陽ではなく、研ぎ澄まされて月の下で鈍く光る刀のように美しくも儚かった。

・今回紹介した店舗の情報

店名 更科 丸屋
住所 東京都中央区日本橋茅場町3-10-2
営業時間 月~金11:00~15:00、17:00~21:00 / 土11:00~14:00
定休日 日・祝

Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼トロける玉子
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▼梅干しが曲者(くせもの)
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▼最強のきつねそばだ!
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