もし仮に人生が100年と考えたならば、その4分の1に当る25年という月日は、途方もなく重い。それだけの時間を費やして、何かひとつのことに打ち込むのは大変な努力と忍耐が必要になる。それを貫ける人はおそらく稀ではないだろうか。
さらに25年をかけて、最高の状態にたどり着くとなると、至難のわざだ。挫折という言葉ではたやすいと感じるほどの困難が、常に付きまとうに違いない。人生のさまざまな苦難を乗り越えて、今まででもっとも良いコンディションを迎えているバンド、それが人間椅子だ。2013年8月に新譜を発売し、迎えたツアーファイナルは即完売。その日のライブは「凄まじい」と呼ぶにふさわしいものだった。