元ワタミの女性社員が自殺したことに関して、新たな事実が判明した。2月24日、この女性の自殺が労災認定されたことについてワタミ会長の渡邉美樹氏は「命懸けの反省をしなければならない」と発言。
しかし2月21日、ワタミグループは「(労災認定は)当社の認識と異なっておりますので、今回の決定は遺憾であります」と公式コメントを発表していた。
何かがおかしい。そう、「反省」と「遺憾」、会長と会社は矛盾した発表を行っていたのだ。そしてさらに奇妙なのは、2月24日になってワタミは「遺憾」の発表(PDFファイル)を削除し、改めて会社としての意向を伝えているのである。
2月14日付けの決定された労災認定について
「過日、報道のありました弊社グループ元社員に関する労災認定については、神奈川県労働者災害補償保険審査官による決定の内容を精査の上、真摯に対応してまいります。以上」(2月24日発表 / 引用ここまで)
上記にあるとおり、「遺憾」という表現がなくなり、労災の決定を受け止めたかのような内容に変更されているのである。しかし「内容を精査の上」としているところをみると、これからも内部で検討や調査を重ねると思われる。
・労災認定から会長と会社の公式コメントまでの流れ
2012年2月14日 元ワタミ女性社員の労災認定がされる
2012年2月21日 会社コメント1「今回の決定は遺憾であります」(遺憾)
2012年2月24日 会長コメント「命懸けの反省をしなければならない」(反省)
2012年2月24日 会社コメント1を削除
2012年2月24日 会社コメント2「労災認定については精査。真摯に対応してまいります」(真摯に対応)
2月21日に会社から公開された文書には、「勤務状況について当社の認識と異なっております」と記されていたのだが、いまだに全貌を把握しきれていないということなのだろうか?
さらに、会長は「命懸けの反省をしなければならない」としているのに対し、会社からの新しい公式コメントに謝罪をうかがわせる言葉は出ていない。
一昨日、当編集部ではワタミグループ広報に対して「月の残業は100時間を超えていなかったのか?」、「2月21日の会社発表で横須賀労働基準監督署の発表による報道へ遺憾と発表していたが、実際の状況と報道はどう異なっていたのか?」と問い合わせた。
2月24日21時に回答が届き、そこには「当時、弊社が労基署に提出させていただいた勤務状況の資料と各方面で報道された勤務状況について相違があったためホームページ上で(2月21日の)メッセージをださせていただきました」とだけ記載されており、まったく自殺した元社員の残業時間や勤務状況についての回答は得られなかった。
そのため、メールの内容と先の文書を削除した意図について同社に問い合わせたのだが、すでに留守番電話に切り替わっていた(2月24日21時現在)。なぜに21日発表分の「遺憾」とする文書を削除したのだろうか? 一連の流れをみても「会長のコメント」や「広報の発表」を本当に信じていいのかどうか、非常に疑わしい状況である。
参照元:ワタミグループ
▼ こちらが21日の発表
▼ トップページから21日の文書は削除され、URLを入力してもすでに見ることはできない