餃子の王将が来年2027年で創業60周年。3つの時代を跨ぐ60年も長いけれど、餃子で言うなら本場は中国である。中国が誇る世界最古の餃子チェーンが『老辺餃子舘』だ。創業、約200年。

清朝の頃から続く餃子店で、中国版ギネス(本物のギネスブックとは関係がありません)『上海大世界ギネス』によって世界で一番歴史の長い餃子店に認定されている。以前、新宿本店に行ってみた私(中澤)。本場の『老辺餃子舘』が気になったので、今度は北京にある東単店に行ってみた。

・北京中心部

北京の中でも中心エリアである東単は、天安門広場の近くで、日本で言う銀座にあたる「王府井(ワンフーチン)」も隣接している。そのため、ストリートにも繁華街の賑わいがあるが、『老辺餃子舘』の入口は表通りから奥まったビルの隙間のようなスペースにあった。

さらに、入口から地下への階段が続いていて、観光客的にはちょっとしたディープさを感じる。とはいえ、別に怪しいオーラが出ているわけではないので階段を降りてみたところ……

・創業200年の説得力

店舗の入口の前に店の説明が書かれたパネルがあった。創業1829年で、2019年に創業190年だから、今年2026年で197年ということになる。確かに約200年と言ってもいいだろう。新宿本店ではざっくり200年と書かれていたため、詳細をこの目で確認できたことに早くも本場の店を感じた。さらにさらに……

『上海大世界ギネス』の賞状の写真も掲示されている。Googleで検索してもこの賞状の画像は出てこなかったため、やっと本当に認定されていた裏取りが取れた気分だ。しかし、ある意味それ以上に感動したのはパネル上部にある創始者の辺福さんの肖像画。


面構えが清時代すぎるだろ。

チェーンの創始者でこれほど時代のオーラをまとっている人物はなかなかいないのではないだろうか。創業200年の説得力。



・店内へ

新宿の『老辺餃子舘』を知っているだけに、思わず店に入る前に感動してしまったが、入店してみると、店内デザインは最近のチェーン店みたいなライトな雰囲気であった。

メニューで特徴的なのは水餃子の種類が多いこと。魚、豚肉、牛肉、野菜と色んな餡の水餃子が10種類以上ある。蒸し餃子もあるけど、新宿店にあった焼き餃子はない模様。あの芸術的な羽つき焼き餃子は新宿独自のものなのかもしれない。

・食べてみた

価格帯は豚肉と海老の水餃子などが49元(2026年7月現在1176円くらい)なので、新宿と変わらないように見えたが、実物が来ると量が新宿本店の比ではなかった。一皿16個くらい乗っている。

現地の庶民店の価格と比べるとちょい上のチェーンという感じの価格。ちなみに、炒飯は18元(約432円)だったので、やっぱり新宿本店と比べると結構安い。

食べてみたところ、炒飯は素朴な味。新宿店の炒飯のようなコクは薄めだけど、毎日食べられる味という感じ。餃子はぷるっと厚みのある皮の食感と、ジューシーかつ素材の味強めの餡が似ている。


・現地に息づく歴史

メニューのバリエーションはかなり豊富で、池袋のガチ中華『大豊収』で食べた東北風酢豚(68元≒1632円)もあった。こちらも食べてみたところ、サクモチの衣と甘酢タレが美味しい。特別店側がリコメンドしてないメニューの味も安定しているところに平均点の高さを感じる。

平均点は高いけれど、チェーンの気楽さもある味づくりに通える店という雰囲気があった。その証拠に、客層も観光客っぽいのは我々だけで地元民が寄っているように見える。若者からじいちゃんばあちゃんまで「いつもの」感が漂っているのだ。

気楽な雰囲気ゆえに、暮らしの息遣いが感じられた『老辺餃子舘』の東単店。それにしても、世界最古級のファーストフードチェーンと言われている『吉野家』でさえ創業127年であることを考えると、その歩みはまさしく歴史と言える。


──歴史書には残らない歴史、ここにあり。リビングレジェンドは今も粛々と歴史を紡いでいたのであった。


・今回紹介した店舗の情報

店名 老辺餃子舘 東単店
住所 中国北京市東城区東単北大街3号 地下1階
営業時間 9:00~21:30
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼動画はこちら

▼2代目は写真だった

▼老辺餃子は北方の民間料理であることが書かれている

▼店内では毛沢東が推されていた

▼何度も表彰されてるようだ

▼歴史ある店だけどコスパは良かった