ついにこの時がやってきてしまったようだ。P.K.サンジュン47歳、とうとう『ギックリ腰』をやらかしてしまいました。いやー、もうジジイすぎて自分がイヤになりますわ。トホホ。

あ、さて──。この記事ではギックリ腰を経験した男性の率直な感想及びに “ビフォーアフター” についてお知らせしたい。まだギックリ腰の洗礼を受けていない方もご一読いただければ幸いだ。

・事故

まず断っておくと「なぜギックリ腰になったか?」についてはよくわかっていない。ある晩、自転車を停めようと軽く持ち上げたことがきっかけではあるが、私の体質や生活習慣に問題があったかについては特定できずにいる。

むしろ週3のジム通いを15年近く続けているので、体は健康な方だろう。腰回りが強いのか弱いのかはわかりかねるが、過去に腰を故障したことは1度もない。ゆえに私にとしては今回のギックリ腰を「事故」と捉えている。

・初めての感覚

さて、ギックリ腰をやらかした瞬間は、痛い痛くないより「腰がすべる感覚」がとても恐ろしかった。私の場合は「痛っ!」よりも「怖っ!」の方が大きかった一方で、俗に言うように「一歩も動けなかった」ことも事実だ。

その場にしゃがみ込んでいたのは時間にして5分ほどだろうか? その間、数十年前に初めてギックリ腰をやった父が痛さのあまり泣いていたことがフラッシュバックした。父の涙を見たのはあの時が初めてである。

動いてしまったら、さらに腰がすべって取り返しのつかないことになるのではないかという恐怖。「じっとしてろ、もっと良くないことが起きるぞ」という本能の訴えに従い、私は何とかその場をやり過ごした。

・復帰

翌日、何とかヨチヨチ歩き出来るようになった私は「ゴッドハンド」とオススメされた整体へ。ゴッドハンドの持ち主であるご高齢の整体師(女性)によれば「典型的なギックリ腰。ただなりきってはいない」とのことである。

ギックリ腰に段階があるとは知らなかったが、結果的にジッとしていたことが功を奏したらしい。またゴッドハンドは確かにゴッドハンドで、施術直後はかなり腰も帰ってきた感覚があった(ただし効果は長くはない)。

結局のところ、座ると楽、いやツラい。立ってる方が楽、いや怖い。うつ伏せが1番いいかも……等々の試行錯誤を繰り返し、ギックリ腰発生1週間後にはスポーツジムを除くいつもの生活を何とか取り戻している状況だ。

・その後のジジイ

なのでいま誰かに「痛い?」と聞かれたら「痛くは無い」と答えられる。ただし、怖い。底の方でうっすらとギックリ腰に対する恐怖があり、ちょっとした動きでも腰をかばう所作をしてしまっている。

例えば靴を履くとき。ベッドから降りるとき。椅子に座るとき。便座から立ち上がるとき。何気ない動きでも何となく腰に意識がいくようになった。平たく言えば “臆病” になっているのだろう。

ただ経験者によれば「それもいつの間にか忘れている」「そしてまたやる」とのこと。現段階で生活に支障はきたしていないが、いつもうっすら腰を気にしていることはストレスと言えばストレスだ。

なお、私は過去に2度「首のヘルニア」を経験しているが、個人的な体感だとギックリ腰の方がだいぶマシ。私の場合、ギックリ腰では楽な体勢を見つけられたが、神経系の首のヘルニアはそれが無かったことが主な理由だ。

いずれにせよ、ギックリ腰を経ていま私は臆病になっている。そして「マジでジジイだな」と自分に悲哀の感情を抱いている。そんな私から言えることはただ1つ「腰がすべる感覚になったら絶対に動くな」ということだけだ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.