9月19日は「苗字の日」なのだそうだ。1870年(明治3年)に、「平民苗字許可令」が布告されたことのちなんでいるとのこと。なお「苗字制定記念日」は2月13日である。

さて苗字というと、私は仕事で「佐藤」を名乗っているが、本名は「山科」である。妻と結婚する際に、妻の姓を名乗ることに決めた。山科になってすでに10年を経ているのだが、苗字を変えることのメリットとデメリットについて、お伝えしたいと思う。

・改姓した理由

少し前だがXの投稿をまとめるサイト「togetter」で、妻の姓に変えた男性がその理由についてつづっている内容がまとめられていた。私も妻の姓に変えた者の1人として、妻の姓に変えた人が明かすその理由を興味深く拝見した。

興味で変えたという人もあれば、妻の姓が希少なもので、名前を引き継ぐために変えたという人もいる。皆さん、それぞれの事情で苗字を変えている。

私の場合は「佐藤」に執着がなく(日本一多い苗字だから)、改姓を経験してみたいという思いから、改姓に踏み切った。


・メリットとデメリット

実際に変えてみて1番よかったことは、「妻と人生を共に歩む」、それを喜ばしく思えたことだ。決意というか覚悟のようなものが芽生え、そして妻と生きる心強さを覚えた。

選択的夫婦別姓の議論において、家族や絆に関する内容が語られることがあるが、経験して、さもありなんと思う次第。苗字は家族を象徴するという意見もわかる。


しかしその一方で、手続きの面倒くささはハンパではない。免許証からカードから保険から、ありとあらゆる名前に関するものを全部変えなければいけないのだ。窓口に行かなければいけないこともあるし、オンラインで手続きしないといけないこともある。1つひとつ変えていくのは本当に手間がかかる。

その手続きの面倒さたるや……。はっきり言って、2度と経験したくないレベルである。やった人にしかわからないわずらわしさだ。

それにも増して、妻と家族になることの喜びが大きかったから、「もう、佐藤のままでいいや!」とならずに済んだわけだが。



実際に経験して、改姓にはメリットもデメリットもあると私は考えている。いずれは、メリットをより大きく感じるような仕組みが用意されることを願っている。

そもそも、改姓以前に生涯添い遂げられる誰かと出会えたことは素晴らしいことなのだから。


参考リンク:togetter
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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