愛知県犬山市にある珍スポット「桃太郎神社」。私自身、子どもの頃から何度も訪れたことがある、お気に入りの場所でもある。

今回、その桃太郎神社から車で30分ほどの岐阜県内に「桃太郎公園」なるものを発見。

しかも調べてみると、周辺にはほかにも「浦島太郎公園」「金太郎公園」といった “太郎” がつく公園が密集しているらしい。

まさかとは思ったが、数えてみたらなんと5つ! 

地元ながら、これまで全く知らなかったので、母と子どもを誘ってめぐってみることにした。

・ちょっとしたスタンプラリー気分

まず目指したのは「桃太郎公園」

場所は、岐阜県各務原市東山にある住宅地。

Googleマップで「各務原 桃太郎公園」と検索すると地図上にも出てくる。


あった! 

ちゃんときびだんご用の袋も持っている。

凛々しさよりもやさしい雰囲気がただようお顔立ち。

この銅像以外には、広場や休憩所しかないシンプルな公園だったし、犬山の桃太郎神社とは違い、鬼や犬などはいなかった。


つづいて、「金太郎公園」へ。

まさかり担いで、熊に乗っている金太郎を発見。

熊は勇ましい表情をしているが、金太郎はかわいらしい。

後ろから見ると……


裸ということか。ただしい。


ここにはちょっとした遊具もあった。


3か所目は「浦島太郎公園」へ。

公園自体は発見し、遊具もあったが、浦島太郎はどこだーー?


どこだー?


いた!


あら! 浦島太郎も「どこだー?」ポーズをしている。

亀に乗って、竜宮城へ向かう途中かな。


そして、ここで「次は何太郎公園でしょう?」と子どもたちにクイズを出してみたら、次女が真剣な顔で「キャベツ太郎!」と回答。

あー確かに太郎よね! ナイス回答!

しかし、答えはまさかの「一寸法師公園」


え、太郎じゃないんかい!

ちゃんとお椀に入っている! と感動したが、よく考えたらお椀に入ってなかったらわからないか。


ここまでは日本昔話の王道キャラなので、イメージがわきやすい。

最後の公園は「龍の子太郎公園」

母は「聞いたことある気がする」と言っていたが、私は完全に初耳だった。

調べてみると、龍から生まれた男の子が鬼や雪女と戦い、最終的に豊かな村をつくるらしい。ものすごく省略しているので、気になる人はぜひ調べてみてほしい。



・なぜ(ほぼ)太郎シリーズが集まっているのか?

どの公園にも、そのキャラクターを模した銅像が設置されていた。どれも可愛らしくて、写真を撮って回るだけでも楽しかった。

ただ、銅像以外は広場や遊具がある程度で、普通の町中の公園と大きくは変わらない。5つの公園は住宅地の中に点在していて、今回は車で巡ったが、天気次第では歩いてめぐることもできる距離感。


ここでふと疑問がわいた。なぜ、このエリアに日本昔話の主人公たちが勢ぞろいしているのだろう?

気になって市役所に問い合わせてみた。ちょっと恥ずかしかったので「子どもの夏休みの自由研究で……」とごまかして質問してみた。

担当の方もすぐには答えが分からず、昔の資料を調べてくれることに。

なんだか申し訳ない気持ちになりつつ待っていると、後日連絡をいただいた。

結論からいうと、明確な理由はわからないらしい。

もともとこの住宅地を開発した業者が公園設置を決めており、今はその業者が撤退し、市が管理しているとのこと。

つまり、市の戦略として、ストーリー性や観光的な意図があったわけではなく、純粋に開発業者のセンスによるものだったのだ。



・謎は解けたけど、逆に気になる!

「なるほど!」と言いたいところだが、逆に謎は深まるばかりだ。

なぜこの5つを選んだのか、なぜ「龍の子太郎」をチョイスしたのか、一寸法師は太郎しばりじゃないけど、いいのか……。

機会があれば、当時の関係者に直接話を聞いてみたい。

もし、このエリアにゆかりのある方や当時を知る人がいたら、ぜひ教えてほしい。

地元の人間でも知らなかった “謎多き太郎シリーズ公園”

5つの公園をめぐりながら、あなたもこの小さな日本昔話巡りを体験してみてはいかがだろうか。

執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.
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