スーパーで買える一番美味しくてリッチなアイスといえば、ハーゲンダッツ。リッチなミルク感に口溶け、素材の良さが活かされた高級感のある味は、右に出る者がいない。

しかし、お手軽なのに種類豊富で美味しいお菓子屋さん、シャトレーゼの『CHATERAISE PREMIUM』シリーズのアイスも負けていないという噂を聞いたことがあるだろうか。

本当にシャトレーゼがハーゲンダッツといい勝負をできるの? ということで、全種類食べ比べてみたぞ!

・シャトレーゼのプレミアムアイス

今回購入したのは、CHATERAISE PREMIUM(シャトレーゼプレミアム)というシリーズのカップアイス。

味はマダガスカルバニラ・京都宇治抹茶・ストロベリー・ラムレーズンの4種類で、価格はすべて税込183円。

シャトレーゼにしては高級だが、ハーゲンダッツと互角と言われると信じられないぐらいに安い。


参考として、筆者が近所のスーパーで手に入れたハーゲンダッツの価格は税込300円。

価格差約120円の味の違いは、どれほどものなんだろうか? 両方を食べ比べてみることにした。


・マダガスカルバニラ VS バニラ

まずは日本で一番人気と言っても過言ではない、定番の味バニラで対決。

クリーム色の見た目は、目をよく凝らさなければ違いがわからない。シャトレーゼの方が若干黄みがかってるかな。


まずはシャトレーゼのマダガスカルバニラから食べてみる。

まず、驚きがやってきた。

なるほど……コレはすごい。黙って渡されたらハーゲンダッツだと勘違いしそうなほどに、ミルクのコクとバニラの香りがあって美味しい。これが200円しないってのは 恐ろしいことだな。


だが、続けてハーゲンダッツを食べると一気に心が引き戻された。

……いやいや、違う。やっぱりハーゲンダッツってすごいわ。

ハーゲンダッツのアイスはミルクだけじゃなく、卵黄のコク深さがしっかり出ているのだ。ただ甘いだけじゃ収まらないリッチさは、ハーゲンダッツの方がダントツで上。


シャトレーゼプレミアムも美味しいんだけど、バニラに関してはハーゲンダッツの圧倒的勝利である。決してシャトレーゼが悪いんじゃない、ただただハーゲンダッツが強過ぎただけなのだ。


・ストロベリー VS ストロベリー

商品名までまったく同じストロベリー対決。

見た目はシャトレーゼの方が自然に近い、オレンジがかった色。ハーゲンダッツはピンク色で可愛いけど 着色料の気配を感じる……と思って原材料をチェックしたら、どちらも着色料不使用だった。すごい。


まずはシャトレーゼからひと口。

バニラとは違い、若干シャリっという舌触りが混ざるのはイチゴ果実の影響だろう。甘酸っぱくフルーティな苺の味わいが全面に押し出され、フルーツ系アイスクリームの頂点を目指す気概まで感じとれる気がした。


対してハーゲンダッツはクリーミーさが際立つ。

「生クリームの中にいちご果汁を混ぜました」って感じの味わいで、こってり、こっくりとリッチなミルク感を押し出している。主役はミルク、味付けはイチゴって感じの印象だ。


ストロベリー対決に関しては どちらが上と順位付けをするのではなく、好みで選ぶべきであるように感じた。イチゴっぽさを重視するならシャトレーゼ、クリーミーさを重視するならハーゲンダッツがおすすめだ。


・京都宇治抹茶 VS グリーンティー

日本ならではの人気アイスである抹茶味京都宇治産の茶葉を使用したシャトレーゼはもちろんのこと、開発に7年の歳月をかけたというハーゲンダッツもかなりこだわっている商品だ。

見た目的にはほぼ同じふたつ。どのように味に違いが出ているのだろうか……?


まずはシャトレーゼ。口に入れた瞬間、抹茶のほろ苦さがしっかりと感じられた。

茶葉の存在感を感じる甘みと渋みがしっかりとあり、どちらかというと大人向けのお味。抹茶本来の味が好きな人にとっては好みど真ん中だろう。


一方ハーゲンダッツは、抹茶の味がありながらもクリーミーでまろやか。

渋みや苦みがマイルドで高級感がある。子供から大人まで、誰でも美味しく食べられるアイスクリームと言えるはずだ。


どうやらふたつの違いは、初摘み茶葉だけでなく二番茶を使っているかどうかにあるようだ。

公式サイトによるとシャトレーゼは「京都府産の上質な一番茶のみを使用」、ハーゲンダッツは「初摘み茶葉を主に使用し、苦味や渋味を適度に与えるために、二番茶を少し加えています」ということ。

原材料による味の差が こんなにもしっかり出るものなのか……! と、驚かずにはいられなかった。


・北海道発酵バター&ラムレーズン VS ラムレーズン

最後に食べ比べるのは、ラムレーズン。他の味とは異なり、両者の間にはバターが使われているかどうかという大きな違いがある。

見た目的にはソックリなふたつ。味にどのような違いがあるのか!?


まずは、北海道発酵バターが使用されているというシャトレーゼ。

ひと口食べた瞬間からバターの存在感がある。一般的なラムレーズンアイスというよりも、レーズンバターサンドの中身がそのままアイスになったような味だ。


それに対してハーゲンダッツは、ラムレーズンの味で一本勝負。

他の味と同様に、やはりクリーム感が強くリッチな味。アイス自体に「ハーゲンダッツっぽさ」が感じられ、安定の美味しさがある。


ラムレーズン味に関しては、どっちが美味しいというよりも「まったくの別物である」というのが筆者の答えだ。どっちも好きだよ~!


・味の方向性に違いあり

シャトレーゼプレミアムとハーゲンダッツの4種類を食べ比べてみた感想として、両者の間にあるのは「味の方向性の違い」であると感じた。

シャトレーゼは、素材の味をしっかり押し出している。バニラは香りで、イチゴは果実感で、抹茶は苦みや渋みで、ラムレーズンはバターで個性を出しており、ひと口食べただけでビビッと来るような華やかさがあった。

ハーゲンダッツは、リッチなミルク感で素材の味を包み込んでいる。それぞれ味の違いはあれども、ベースにどしんとミルクベースのアイスクリームが感じられるのだ。それこそがハーゲンダッツのブランドであり、他のアイスに負けない美味しさの秘密なのかもしれない。


「シャトレーゼのアイスがハーゲンダッツに似ている」という噂に関しては「似ていない」という答えとなった今回の検証。

だが、似ていないのは悪いことではない。メーカーごとにそれぞれのこだわりがあり、そこに共感するファンが買えばイイっていうシンプルな話なのだ。

ぶっちゃけ、ここのところ良くないニュースも流れているシャトレーゼ。

製品に関しては相当レベルが高く根強いファンがいるので、良くないところは改善しつつがんばってほしい。多少値上げしたって構わないので、これからも筆者は応援しているぞ……!

参考リンク:シャトレーゼ公式ハーゲンダッツ公式
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼原材料も比較してみよう。バニラ

▼ストロベリー

▼抹茶

▼ラムレーズン